下道色夫多

下道色夫多（しもつみち の しこぶた、生没年不詳）は、奈良時代の貴族であり、備後介を務めた人物です。姓は臣から朝臣へと改められました。

出自

『新撰姓氏録』によれば、下道朝臣は吉備朝臣と同祖であり、稚武彦命の孫である吉備武彦命の後裔とされています。このことから、下道色夫多は由緒ある家系の出身であることがわかります。

経歴

称徳天皇の治世、天平神護元年（765年）正月7日、改元と同時に、下道色夫多は日置蓑麻呂、多治比長野、多治比乙麻呂、中臣習宜山守、弓削秋麻呂、弓削牛養らと共に、外従五位下から内位の従五位下へと昇叙されました。この昇叙は、彼が朝廷において一定の評価を得ていたことを示しています。

天平神護2年（766年）5月には、主殿助であった色夫多に朝臣の姓が与えられました。これは、彼の家格が上昇したことを意味します。

天平神護3年（767年）5月、備後介に任じられました。備後介は、備後国（現在の広島県東部）の地方行政を担う重要な役職であり、彼が中央での活動から地方行政へと転じたことを示唆しています。光仁天皇の治世以降の彼の事績については、現在のところ詳細は不明です。

官歴

『続日本紀』に記録されている彼の官歴は以下の通りです。

時期不詳：外従五位下
天平神護元年（765年）正月7日：従五位下（内位）
天平神護2年（766年）：臣から朝臣に改姓
天平神護3年（767年）5月9日：備後介

まとめ

下道色夫多は、奈良時代に活躍した貴族であり、備後介を務めた人物です。彼の出自は吉備氏に遡り、称徳朝において昇叙や改姓を経験し、最終的には地方官である備後介に任じられました。彼の事績は、『続日本紀』や『新撰姓氏録』などの史料によって知ることができます。光仁朝以降の彼の活動については不明な点が多いものの、奈良時代の貴族社会における彼の足跡を辿る上で重要な人物の一人と言えるでしょう。

参考文献

『続日本紀』4 新日本古典文学大系15 岩波書店、1995年
宇治谷孟『続日本紀 （中）』講談社学術文庫、1992年

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