中院通重

中院通重（なかのいん みちしげ）は、鎌倉時代中期から後期にかけての公卿です。准大臣・中院通頼の長男として生まれ、最終的には従一位・内大臣という高い官位に上り詰めました。『扇次第』の著者としても知られています。

経歴

文永8年（1271年）に従五位下に叙爵したのを皮切りに、着実に昇進を重ねました。

文永11年（1274年）：従五位上
文永12年（1275年）：侍従に任官
建治3年（1277年）：正五位下
弘安元年（1278年）：従四位下・左近衛少将
弘安2年（1279年）：甲斐介を兼任
弘安3年（1281年）：従四位上
弘安6年（1283年）：正四位下
弘安7年（1284年）：美作介・左近衛中将
弘安8年（1285年）：従三位、公卿に列する
弘安10年（1287年）：参議、左衛門督・検非違使別当を兼任
弘安11年（1288年）：正三位・権中納言、備中権守・中宮権大夫・左衛門督を兼任
正応2年（1289年）：従二位
正応4年（1291年）：正二位
正応5年（1292年）：権大納言
正安3年（1301年）：春宮大夫を兼任
正和4年（1315年）：大納言に進む
正和5年（1316年）：大納言を辞任、従一位
元応元年（1319年）：内大臣、淳和奨学両院別当に補任（同年辞任）
元亨元年（1321年）：出家、法名は良乘
元亨2年（1322年）：薨去、享年53

官僚としてのキャリアを着実に積み重ね、鎌倉幕府における重要な役割を担ったことが伺えます。

官歴詳細

文永8年（1271年）正月5日：従五位下
文永11年（1274年）11月18日：従五位上
文永12年（1275年）4月13日：侍従に任官
建治3年（1277年）正月5日：正五位下
弘安元年（1278年）4月19日：従四位下、閏10月28日：禁色を聴される、12月27日：左近衛少将
弘安2年（1279年）正月24日：甲斐介を兼任
弘安3年（1281年）12月13日：従四位上
弘安6年（1283年）10月30日：正四位下
弘安7年（1284年）正月13日：美作介を兼任、6月23日：左近衛中将
弘安8年（1285年）3月8日：従三位
弘安10年（1287年）正月13日：参議、10月10日：左衛門督・検非違使別当
弘安11年（1288年）2月10日：備中権守、3月8日：正三位、8月20日：中宮権大夫、10月27日：権中納言・左衛門督、12月20日：左衛門督・検非違使別当を辞任
正応2年（1289年）7月16日：従二位
正応4年（1291年）正月6日：正二位（石清水賀茂行幸行事賞）
正応5年（1292年）閏6月16日：権大納言・中宮大夫、7月10日：帯剣を聴される
永仁6年（1298年）8月22日：大夫を辞任
正安3年（1301年）8月24日：春宮大夫
徳治2年（1307年）11月1日：辞退
延慶2年（1309年）10月15日：還任
応長2年（1312年）9月15日：服解（父）、10月：復任
正和2年（1314年）12月23日：淳和院別当
正和4年（1315年）3月16日：大納言、4月16日：奨学院別当
正和5年（1316年）10月4日：大納言を辞任、従一位
元応元年（1319年）閏7月28日：内大臣、9月1日：奨学淳和両院別当、10月18日：辞任
元亨元年（1321年）9月15日：出家

詳細な官歴からは、中院通重が様々な役職を歴任し、朝廷において重きをなしていたことが分かります。

系譜

父：中院通頼
母：姉小路顕朝の娘
妻：源通能の娘（?-1322）
長男：中院通顕（1291-1344）
次男：中院通持（1300-?）
生母不明の子女
男子：成助（1297-?）
男子：道祐（?-?）
男子：寛恵（1302-1343）

中院通重の家系は、鎌倉時代の公家社会において一定の地位を占めていたことが伺えます。

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