今出川教季

今出川教季（いまでがわ のりすえ）は、室町時代前期から後期にかけての公卿で、権大納言・今出川実富の次男として生まれました。最終的な官位は従一位・左大臣にまで上り詰めました。

生い立ちと家督相続

教季は初め、慈雲院（妙心寺内）に入れられていたと伝えられています。応永年間には、疫病により祖父や兄が相次いで亡くなり、正長元年（1428年）には父・実富までもが死去。今出川家は、左馬寮領の分割や家芸である琵琶の楽器・楽譜が西園寺家に接収されかけるなど、断絶の危機に瀕していました。

しかし、応永35年（1428年）に将軍が足利義持から足利義教に代わり、今出川家と関係の深い伏見宮貞成親王の子・彦仁王が後花園天皇として即位したことが転機となります。永享5年（1433年）頃には、当時9歳であった教季に家督の相続が許されました。

将軍の庇護と異例の出世

永享7年（1435年）、将軍・義教の後見の下で元服し、教季と名乗ります。「教」の字は義教からの偏諱であり、今出川家歴代当主として初めて足利将軍家から偏諱を授与された事例となりました。

翌永享8年（1436年）に叙爵。以降、左近衛少将・左近衛中将・美濃権守を経て、文安3年（1446年）に従三位となり公卿に列します。宝徳2年（1450年）には権大納言に任じられ、寛正元年（1460年）までの10年間、権大納言を務めました。長禄2年（1458年）には内教坊別当と親王家勅別当を兼務しています。寛正4年（1463年）には権大納言に再任、同年には右近衛大将にも任官しました。寛正6年（1465年）には内大臣に任じられるも、文正元年（1466年）に辞任。応仁元年（1467年）には従一位を授与されました。

文明12年（1480年）に右大臣、文明13年（1481年）には左大臣に任じられますが、翌年に官職を辞しました。

系譜

父：今出川実富（?-1428）
母：不詳
正室：高倉永豊の娘
男子：今出川公興（1445/1446-1514）
生母不明の子女
女子：伏見宮邦高親王妃

今出川教季は、幼少期に家の危機を乗り越え、足利将軍家の庇護を受けながら異例の出世を遂げた人物として、その名が歴史に刻まれています。

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