仙崎駅

仙崎駅



仙崎駅(せんざきえき)は、山口県長門市仙崎に位置する、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線支線(通称:仙崎線)の駅です。この駅は、単式ホーム1面1線の地上駅で、現在は長門鉄道部が管理する無人駅となっています。自動券売機などの設備はありませんが、駅舎は木造風の外観を持つ鉄筋コンクリート造で、独特の風情を醸し出しています。

歴史



仙崎駅は、1930年昭和5年)5月15日鉄道省美禰線の貨物支線として、正明市駅(現在の長門市駅)から当駅間が開通した際に貨物駅として開業しました。当時の所在地は山口県大津郡仙崎町でした。

1933年昭和8年)2月24日には、山陰本線全通に伴い、正明市駅 - 当駅間が山陰本線支線に編入され、山陰本線支線の駅となりました。同年7月26日には旅客営業が開始されました。その後、1954年昭和29年)3月31日長門市が成立したことにより、所在地表示が山口県長門市仙崎に変更されました。

1959年(昭和34年)5月30日には駅舎が改築され、1963年昭和38年)6月1日には貨物取扱が廃止されました。1986年昭和61年)4月1日には駅員無配置駅となり、1987年昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となりました。1988年昭和63年)3月13日には、仙崎支線でワンマン運転が開始され、JR線では最初期の事例となりました。

2005年(平成17年)3月22日には、長門市(第2次)が成立し、所在地表示が現行のものとなりました。

駅構造



仙崎駅は、単式ホーム1面1線の地上駅で、長門鉄道部管理の無人駅です。自動券売機等の設備はありません。ホームの反対側には、かつて使われていた機回し線の跡が残っています。

駅舎は鉄筋コンクリート造ですが、周囲は焼杉風の化粧壁と瓦葺きの飾り屋根で覆われており、木造風の外観が特徴です。かつて駅事務室や手荷物取扱所があったスペースは、長門市仙崎出身の童謡詩人金子みすゞに関する資料を集めた展示施設(みすゞ館)として利用されていましたが、金子みすゞ記念館の開館に伴い、観光ボランティアガイドの案内所に変わりました。その後、2017年に道の駅センザキッチンがオープンした際に、観光案内所も同所へ移転し、2019年には長門市仙崎出身の作詞家、大津あきらに関するギャラリーとしてリニューアルされました。

駅舎内にはかつてキヨスクがありましたが、現在は撤去されています。また、駅舎に隣接して別棟のトイレが設けられています。以前は鉄筋コンクリート造で、外壁には長門市在住のイラストレーター、尾崎眞吾による鯨の絵が描かれていましたが、2007年(平成19年)の「みすゞ潮彩」運転開始に合わせて和風の建物に建て替えられました。

ダイヤ



仙崎駅には、キハ120形気動車が1日6往復運転されています。当駅 - 長門市駅間の1駅間運転の系統と、美祢線厚狭駅まで乗り入れる系統があります。山陰本線支線の駅ですが、基本的な運行系統は仙崎支線内折り返しまたは美祢線直通です。

かつては、下関直通列車が2017年まで観光列車「みすゞ潮彩」として1往復設定されていましたが、2021年のダイヤ改正で廃止されました。

備考



毎年7月下旬に仙崎港一帯で開催される「ながと仙崎花火大会」の際には、臨時列車の運行が設定されます。仙崎支線内折り返しが基本ですが、花火終了後には美祢線厚狭駅山陰本線阿川駅までの直通列車(または長門市駅乗り換えの接続列車)が運行されることもあります。

かつては、仙崎漁港で水揚げされた海産物を売りさばく行商の利用が多く、仙崎駅の始発列車が午前4時台であったこともありましたが、2001年3月3日の改正で始発列車は6時台に繰り下がり、最終も18時と早くなっています。国鉄時代の1978年11月20日のダイヤでは、仙崎始発が4時17分で、1日に約20往復の列車が運行されていました。また当時は、厚狭発長門市・仙崎経由の益田行きの普通列車も運行されており、長門市 - 仙崎間が折り返し運転となっていました。

観光列車としては、臨時客車列車「萩・長門ブルーライナー」が下関→長門市→当駅→長門市→東萩の直通運転を行っていました(復路は当駅に寄らない設定でした)。また、2007年7月1日から定期列車の車両変更扱いで下関へ直通する観光列車「みすゞ潮彩」が1日1往復運転されていました。2017年8月5日からは復路のみですが、「○○のはなし」が東萩方面から直通運転を行っています。

利用状況



1日の平均乗車人員は以下の通りです。

(具体的な数値は省略)

駅周辺



駅周辺は仙崎地区の中心部に位置しています。

  • - 仙崎港:駅から東へ500m
  • - 山口県漁業協同組合仙崎地方卸売市場
  • - 道の駅センザキッチン:東へ約350m
  • - 青海島観光船乗り場:道の駅センザキッチン内
  • - 金子みすゞ記念館:駅前正面の通り(みすゞ通り)を北へ約400m
  • - 仙崎郵便局:金子みすゞ記念館の向かい、旧局舎は金子の詩にも詠われています
  • - 長門市立仙崎小学校
  • - 長門市立仙崎中学校
  • - 山口県立大津緑洋高等学校水産校舎
  • - 青海大橋:青海島と本土を結ぶ橋。駅から北へ約1.5km

バス路線



駅前ロータリーには「仙崎駅前」バス停があります。長門市駅へはバスの方が本数が多く運行しています。

- 青海島(大泊・通)
- 長門市駅・観月橋・湯本温泉・俵山温泉・豊田町西市・岡枝・小月駅・下関(城下町長府・唐戸下関駅
- センザキッチン
- 長門市駅・黄波戸・古市駅・人丸駅・油谷島
- 青海大橋
- 長門市駅・長門病院・三隅駅前・野波瀬・湯免温泉・落志畑・大田中央・秋芳洞・三見駅・萩(萩バスセンター・東萩駅)

隣の駅



西日本旅客鉄道(JR西日本)

山陰本線(仙崎支線)

長門市駅 - 仙崎駅

脚注



(具体的な脚注は省略)

関連項目




外部リンク



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