伊敷 (鹿児島市)

鹿児島市伊敷について

鹿児島市伊敷（いしき）は、市の北中部に位置する町丁で、旧薩摩国鹿児島郡に属していました。この地域は、甲突川の中流域に広がり、豊かな自然と歴史的な背景を持つ場所です。

地理

伊敷は、鹿児島市の中北部に位置し、甲突川が中央部を南北に流れています。周辺地域には、皆与志町、花野光ヶ丘、小野、下伊敷、犬迫町、岡之原町、西伊敷、千年、下田町、伊敷台などが隣接しています。

町の中央部には甲突川が流れ、それに沿って国道3号が通っています。また、九州自動車道が北東部から南西部を横断しており、鹿児島北インターチェンジが設けられています。このインターチェンジは福岡方面と指宿方面への出入り口があり、県道18号線が国道3号と指宿方面の出入り口を結んでいます。

町内には、甲突川の他に花野川、犬迫川、長井田川、山崎川といった河川が流れており、水資源にも恵まれています。

歴史

伊敷の歴史は古く、平安時代には肝付氏の祖である伴兼行が居住していたとされ、当時の神食村が現在の伊敷にあたると考えられています。

中世には伊敷村が上伊敷と下伊敷に分かれ、上伊敷村は薩摩国鹿児島郡に属しました。1359年の記録には「鹿児島郡内上伊敷村地頭職」という記述が見られ、山田忠経に地頭職が与えられたことが記されています。江戸時代には鹿児島近在の「遠名」に区分され、藩の役所も置かれていました。また、甲突川には石堰が作られ、灌漑用水として利用されました。

明治時代に入り、1889年の町村制施行により上伊敷村は、下伊敷村、小野村、犬迫村、小山田村、皆房村、比志島村と合併し、伊敷村の一部となりました。1950年には、伊敷村は鹿児島市に編入され、旧上伊敷村の区域は「伊敷町」となりました。その後、住居表示の実施に伴い、伊敷町の一部から千年、西伊敷、伊敷台などの新しい町丁が設置され、2004年には伊敷一丁目から八丁目も誕生しました。

文化財

伊敷には、国指定の史跡である「桂菴墓」や、市指定の有形民俗文化財である「肥田の田の神」と「新村の田の神」があります。これらの文化財は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。

公共施設

伊敷には、鹿児島市役所伊敷支所、鹿児島市消防局西消防署伊敷分遣隊、鹿児島市伊敷公民館、鹿児島市立図書館伊敷公民館図書室などの公共施設が設けられており、地域住民の生活を支えています。

教育

教育施設としては、鹿児島市立伊敷小学校、伊敷幼稚園、伊敷保育園があります。これらの施設は、地域の子どもたちの教育と成長を支える重要な役割を担っています。

郵便局

伊敷地域には、伊敷郵便局と鹿児島大平田郵便局があります。これらの郵便局は、地域住民の生活に欠かせないサービスを提供しています。

寺社

地域内には、諏訪神社、西本願寺伊敷出張所、梅ケ渕観音院といった寺社があります。これらの寺社は、地域住民の心の拠り所として、古くから親しまれています。

その他施設

その他には、水泳選手である鶴田義行の像や、コーアツ工業の本社があります。

人口

2020年4月1日現在、伊敷の人口は7,802人、世帯数は3,753世帯です。

交通

交通網としては、九州自動車道が通り、鹿児島北インターチェンジがあります。また、国道3号や鹿児島県道18号線が地域内を通っており、交通の便が良い地域です。

かつては鹿児島市電伊敷線が通っていましたが、1985年に廃止されています。

関係する人物

伊敷出身の著名人としては、水泳選手の鶴田義行がいます。彼はアムステルダムオリンピックとロサンゼルスオリンピックで競泳平泳ぎ200mで金メダルを獲得し、日本人初のオリンピック連覇者となりました。また、臨済宗の僧侶である桂庵玄樹も伊敷に居住していました。

まとめ

鹿児島市伊敷は、豊かな自然、歴史的な背景、そして交通の利便性を兼ね備えた地域です。多くの人々が暮らすこの地は、今もなお発展を続けています。

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