佐々木顕発

佐々木顕発：異例の出世を遂げた旗本

佐々木顕発（ささき あきのぶ）は、江戸時代末期に活躍した幕臣であり、一介の旗本家来から御家人、そして旗本へと異例の出世を遂げ、最終的には勘定奉行や町奉行、外国奉行といった要職を歴任した人物として知られています。

生い立ちと初期の経歴

佐々木顕発は、飛騨郡代所の地役人であった河野周助の子として生まれました。その後、江戸に出て幕府奥右筆の田中龍之助良顕に武家奉公人として仕えることになります。田中龍之助の援助を受け、御徒の家に養子入りし、文政9年（1826年）に御徒に抱え入れられ御家人となりました。この時の職禄は70俵5人扶持でした。

異例の出世

御家人となった佐々木顕発は、天保2年（1831年）に支配勘定に任じられます。その後も順調に昇進を重ね、天保5年（1834年）には評定所留役となり、旗本に列することとなりました。天保13年（1842年）には勘定組頭に任命され、永々御目見以上となります。翌天保14年（1843年）には勘定吟味役（布衣）に任じられ、家禄も100俵に加増されました。嘉永4年（1851年）には奈良奉行に任命され、従五位下信濃守に叙任されるとともに、家禄は200俵にまで増加しました。

嘉永5年（1852年）には大坂東町奉行に任命され、その後も安政4年（1857年）に小普請奉行、安政5年（1858年）には勘定奉行と、幕府の要職を歴任しました。しかし、安政6年（1859年）には反井伊直弼派であったため免職となり、差控処分を受けました。

文久2年（1862年）には徒頭、作事奉行に任じられ、文久3年（1863年）には江戸北町奉行、西丸留守居、江戸南町奉行と、立て続けに役職を変わります。元治元年（1864年）には外国奉行に任命されますが、同年中に御役御免となり寄合となりました。

佐々木顕発を題材とした落語

上方落語には、三代目笑福亭松鶴作の「佐々木裁き」という噺があります。この噺は佐々木顕発をモデルにしており、佐々木が裁きを行う様子を描いています。噺の中では、佐々木は大坂西町奉行として設定されています。

参考文献

小川恭一『江戸の旗本事典』講談社、2003年。ISBN 4-06-273616-0。

関連項目

川路聖謨 - 佐々木と同様に出世した人物として知られています。
安政の大獄

外部リンク

落語の舞台を歩く－落語「佐々木政談」の舞台を歩く－墓所の写真など。

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