傅巽

傅巽（ふ そん）の生涯と業績

傅巽は、中国の後漢末期から三国時代にかけて活躍した政治家で、具体的な生没年は不明ですが、彼の業績は後世に語り継がれています。彼の字は公悌であり、出身地は涼州北地郡泥陽県です。傅巽は見かけが優れ、広範な知識を持っていたため、多くの人々から高く評価されていました。特に、人物の能力を見抜く力に秀でており、政治的な見通しも持っていました。

政治家としての道

彼は三公の府に召されて尚書郎の地位に就きましたが、その後、荊州に身を寄せることとなります。彼はその後の政治情勢を深く理解しており、特に当時の英雄である龐統を「発展途上の英雄」と称し、また清廉で品行方正な裴潜を評価するなど、彼の評価眼は鋭いものでした。

建安13年（208年）、荊州の支配者であった劉表が亡くなり、その後を子の劉琮が引き継ぎました。しかし、当時の曹操の勢力が拡大する中で、劉琮の自立が非常に危ぶまれる状況にありました。このような情勢の中、荊州には劉備が客将として存在していましたが、傅巽は劉備が曹操に対抗できないと判断しました。さらに、もし劉備が曹操と争った場合、劉琮は劉備に吞み込まれてしまうとの見解を示しました。こうした背景から、曹操に降伏することが荊州の存続を図る唯一の道であると進言したのです。

この提案が受け入れられ、劉琮が曹操に降伏した際には、傅巽はその功績を認められ、関内侯に封じられました。

不安定な政権と陰謀

建安24年（219年）には、名声を得ていた魏諷がクーデターを試みましたが、これが失敗に終わって誅殺されました。Interestingly, it is believed that傅巽はその陰謀について以前から予見していたとされています。このように、彼の洞察力は常に鋭く、政治の表舞台においても重要な役割を果たしました。

建安25年（220年）に入ると、彼の名前は散騎常侍として禅譲に関する上奏文に記されます。後の黄初年間には侍中・尚書として重要な地位に就くこととなりました。ここでの彼の行動もまた注目に値します。侍中の同僚である蘇則が文帝曹丕に責められているとの誤解から弁明しようとしたとき、傅巽はこっそりと真実を告げ、蘇則が無用な弁明を行うことを避けさせました。

亡くなるまでの人生

彼は、明帝曹叡の太和年間に死去したとされています。彼の死後も、その名声や評価は残り、後の世の政治家たちに影響を与えました。

一族の背景

傅巽の一族についても興味深い点があります。『三国志』魏書に掲載されている甥の傅嘏の伝によると、彼は前漢の傅介子の末裔です。父の傅睿は代郡太守を務め、弟の傅充は黄門侍郎に任じられました。さらに、傅充の子が傅嘏であることから、傅巽の家系は名門として知られています。

このように、傅巽は三国時代の歴史において重要な役割を担った政治家であり、その評価は現在でも高いものです。

もう一度検索