司

律令制における「司」について

「司（し/つかさ）」とは、古代日本の律令制において、主に省（中務[[省]]、治部[[省]]、刑部[[省]]、兵部[[省]]、大蔵省、宮内省）や衛門府、京職などの下部に置かれた官司の等級の一つです。

概要

司は、職や寮と並び、各省や府の事務を分掌しました。職や寮との主な違いは、基本職員である四等官の構成にあります。通常、四等官は長官・次官・判官・主典の四者から構成されますが、司の場合は基本的に次官が欠けています。また、職や寮が省との間に一定の独立性を持つ一方、司はほぼ完全に省などの上級機関の統制下に置かれています。

職・寮・司の中で最も格が低く、現業部門が多く、平安時代にその大部分が整理・統合されました。ただし、内兵庫のように形式的に独立した司も存在します。

通常、「〇〇司」のように「司」の文字が後につきますが、内兵庫だけは例外です。また、春宮坊管下の監（げん）や署（しょ）と呼ばれる機関も司の一種とみなされます。

司は、職員の人数などによってさらに四等級に分けることができます。

司の等級と一覧

司は、その規模や重要度によって、以下の四等級に分類されます。

大司

四等官構成：正（正六位上）- 佑（従七位下）- 大令史（大初位上）- 少令史（大初位下）
主な大司：
画工司（中務[[省]]）
内薬司
諸陵司（治部[[省]]）
兵馬司（兵部[[省]]）
鼓吹司
造兵司
贓贖司（刑部[[省]]）
囚獄司
典鋳司（大蔵省）
掃部司
正親司（宮内省）
内膳司※
造酒司
鍛冶司
官奴司
園池司
東西市司（左右京職）

中司

四等官構成：正（正六位下）- 佑（正八位上）- 令史（大初位下）
主な中司：
内礼司（中務[[省]]）
喪儀司（治部[[省]]）
主船司（兵部[[省]]）
漆部司（大蔵省）
縫部司
織部司
采女司（宮内省）
土工司
隼人司（衛門府→兵部[[省]]）
内兵庫（独立）

小司・監

四等官構成：正（従六位上）- 佑（正八位下）- 令史（少初位上）
主な小司・監：
主水司（宮内省）
主油司
内掃部司
筥陶司
内染司
主膳監（春宮坊）
主蔵監
舎人監

下司・署

四等官構成：正・首（従六位下）- 令史（少初位下）
主な下司・署：
主鷹司（兵部[[省]]）
主殿署（春宮坊）
主馬署
主工署
主兵署
主書署
主漿署

その他

斎院司（官位が他より高く四等官の名称も異なる）
芳野監（一時期設置された地方官の一つ）
和泉監（和泉国が設置される前に一時期置かれていたとされる）

※内膳司の長官は奉膳と称し2名、次官として典膳（6名）がいました。これらは令制以前からの伝統によるものです。

関連項目

日本の官制


以上が、律令制における「司」についての詳細な解説となります。

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