堯雄

堯雄（ぎょう ゆう）：北魏末から東魏を支えた武将

堯雄（499年 - 542年）は、中国の南北朝時代、北魏末期から東魏にかけて活躍した軍人です。字は休武、上党郡長子県を本貫とします。その生涯は、戦乱の時代を勇敢に生き抜き、数々の功績を残しました。

若き日の才能開花と初期の功績

堯雄は、北魏の員外侍郎であった堯栄の子として生まれました。幼い頃から勇敢で決断力があり、騎射を得意としました。また、私財を惜しまず人々に分け与えたため、多くの人々から信頼され、慕われていました。永安年間には、宣威将軍・給事中・持節慰労恒燕朔三州大使に任じられ、都督として劉霊助の討伐に参加。その功績により、鎮東将軍・燕州刺史に任じられ、城平県伯に封じられました。

高歓への帰順と東魏での活躍

531年、高歓が信都で挙兵すると、堯雄は当初、爾朱兆の下で高歓と戦いましたが敗北。その後、高歓に帰順し、車騎大将軍・瀛州刺史に任じられ、爵位も公に進みました。東魏に仕えてからは、その軍事的な才能を遺憾なく発揮し、数々の戦で目覚ましい活躍を見せました。

賀抜勝との戦いと豫州での防衛

534年、孝武帝が関中に入ると、堯雄は大都督として高昂の指揮下に入り、賀抜勝を穣城で破るという功績を挙げました。その後、三荊を巡る征討に参加し、都督二豫揚郢四州諸軍事・豫州刺史に任じられ、豫州の防衛を任されました。元洪威が潁州で東魏に反乱を起こすと、趙継宗が潁川郡太守の邵招を殺害して楽口を拠点に反乱に呼応しました。堯雄は趙継宗を討伐し、これを打ち破りました。その後、王長が豫州刺史を自称して西魏につくと、侯景とともに王長を討伐し鎮圧しました。梁の軍勢が豫州に侵攻してくると、伏兵を用いてこれを撃退し、敵将を生け捕るなどの活躍を見せました。535年には、梁の陳慶之が豫州の州城に迫ると、自ら出戦して奮戦し、陳慶之を退却させるという大きな功績を挙げました。同年、陳慶之が南荊州を包囲すると、その包囲を解かせるために梁の拠点を攻撃し、陳慶之を南荊州から引き離すことに成功しました。その後も、梁の軍勢を破り、敵将を捕らえるなど、豫州の防衛に大きく貢献しました。

豫州の安定と人心掌握

堯雄は、豫州刺史として、兵士や民衆を慈しみ、深く信頼されました。また、多くの賓客と交流し、礼儀を重んじたため、その人柄は広く知られていました。

波乱の時代を駆け抜けた英雄の死

541年、堯雄は鄴に召還され、その後、大規模な軍を率いて各地を巡行し、要地を守備しました。しかし、542年に鄴で病没。その功績を讃えられ、使持節・都督青徐膠三州諸軍事・大将軍・司徒公・徐州刺史の位を追贈され、諡を武恭と贈られました。子の堯師が後を継ぎました。

堯雄は、戦乱の時代を生き抜き、数々の功績を残した名将として、その名は後世にまで語り継がれています。

もう一度検索