宇都宮都市圏

宇都宮都市圏

宇都宮都市圏は、栃木県宇都宮市を中心とした地域に広がる都市圏です。総務省統計局の定義に基づき、国勢調査の都市圏基準を2010年から満たしており、北関東地方においては、前橋都市圏に次ぐ規模を有しています。

概要

宇都宮都市圏は、東北新幹線やJR宇都宮線、東北自動車道、国道4号などの主要な交通インフラが集中する、交通の要衝です。これらの幹線道路は南北に都市圏を貫き、国際観光都市である日光へ向かう路線も分岐しています。これらの交通網は、江戸時代の日光街道や奥州街道の経路と重なる部分が多く、古代からの交通の要所としての歴史を受け継いでいます。

北関東自動車道が都市圏の南側に隣接する国道50号ベルト地帯を横断しており、群馬県前橋市から茨城県水戸市までを結ぶ広域的な交通ネットワークの一部を担っています。このような交通インフラの集積は、宇都宮都市圏を北関東工業地域における中心的な都市圏の一つとして位置づけています。

定義

総務省統計局が定義する1.5%都市圏（通勤通学圏）において、宇都宮市が中心市となり、栃木市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市など、計12市9町が周辺市町村として含まれます。

相対都市圏としては、2015年の国勢調査で人口110万3745人を擁し、関東地方では東京都市圏、前橋都市圏に次ぐ規模です。中核市を中心とする都市圏としては、日本最大の人口を誇ります。宇都宮市の10%通勤圏を構成する市町は、河内郡地域、上都賀郡地域、芳賀郡地域の一部、塩谷郡地域の一部、那須郡地域の一部、下都賀郡地域の一部など、広範囲に及びます。

都市雇用圏の変遷

宇都宮都市圏は、合併などを経て市町村の構成が変化してきました。2005年には氏家町と喜連川町が合併してさくら市となり、南那須町と烏山町が合併して那須烏山市が誕生しました。また、2006年には鹿沼市が粟野町を編入合併し、石橋町、国分寺町、南河内町が合併して下野市となりました。2007年には宇都宮市が河内町と上河内町を編入合併しています。

地勢

宇都宮は鬼怒川沿いに発展した歴史を持ち、都市圏は主に鬼怒川流域地域を中心に広がっています。関東平野に属し、都市圏の東側を鬼怒川が貫流します。北西部には日光連山や足尾山地が広がり、宇都宮は西を山、東を川に囲まれた天然の要害として発展しました。内陸性気候のため、夏は暑く、冬は寒く、雷が多いのが特徴です。

交通

鉄道

宇都宮駅と東武宇都宮駅を中心に、JR宇都宮線、JR日光線、東武宇都宮線などの路線が、都市圏内の主要都市や県内各地を結んでいます。宇都宮市から芳賀・清原工業団地を結ぶライトレールの計画も進行中です。

道路

東北自動車道、北関東自動車道、国道4号、新4号国道などが都市圏を通過し、広域的な交通を支えています。宇都宮環状道路は、市街地への通過交通を抑制する役割を果たしています。

空港

宇都宮都市圏からは、羽田空港、成田空港の利用が多いですが、アクセスに時間を要します。茨城空港も利用可能ですが、路線数・便数が少ないため利用者は限られています。

バス

宇都宮駅を中心に放射状に路線網が形成されており、関東バスが主要な事業者です。主要停留所に駐輪場を設置する「サイクル・アンド・バスライド」や、「パークアンドライド」の整備が進められています。

産業

2010年時点での域内総生産は約4兆4535億円です。

農業

首都圏に近い立地を生かした近郊型農業が盛んで、壬生町のかんぴょうや宇都宮市のニラの生産が特筆されます。しかし、農業従事者の高齢化や後継者不足、かんぴょうの需要低迷などにより、衰退の危機に瀕しています。地産地消や農産物のブランド化などの対策が講じられています。

工業

宇都宮市周辺には大規模な工業団地が多数存在し、大手企業が進出しています。芳賀町のホンダや上三川町の日産自動車の工場は地域経済を支える重要な拠点です。西部地域には、鹿沼市の木工団地や壬生町のおもちゃのまちなど、特色ある中小企業が集積しています。

商業

宇都宮市中心部には、オリオン通りやユニオン通りなどの商店街があり、多くの買い物客で賑わいます。東武宇都宮百貨店やMEGAドン・キホーテ ラパーク宇都宮店などの大型商業施設も集積しています。郊外には、福田屋百貨店 (FKD) ショッピングプラザ宇都宮店やベルモールなどのショッピングセンターが点在しています。

他の地域・都市圏との関係

栃木都市圏、小山都市圏、那須塩原都市圏との交流が盛んであり、特に東京との人的交流はビジネスやレジャーにおいて活発です。宇都宮都市圏に在住し、東京へ通勤する人も多く存在します。

もう一度検索