富士見ヶ丘駅

東京都杉並区久我山五丁目に所在する、京王電鉄井の頭線の鉄道駅です。駅番号はIN13が割り当てられています。

歴史

当駅は、帝都電鉄により1933年（昭和8年）8月1日に開業しました。その後、1940年（昭和15年）5月1日には小田原急行鉄道と合併し、同社の帝都線の駅となります。太平洋戦争中の1942年（昭和17年）5月1日には、陸上交通事業調整法に基づき小田急電鉄が東京急行電鉄、いわゆる「大東急」へ統合されたことに伴い、その所属となりました。終戦後の1948年（昭和23年）6月1日、東京急行電鉄から分離独立した京王帝都電鉄（現在の京王電鉄）の駅として、改めて井の頭線の駅となりました。現在の橋上駅舎は、2010年（平成22年）3月に建設が開始され、同年12月26日から供用されています。

駅構造

地上に位置する駅で、島式ホーム1面2線が配されています。駅施設は線路の上空に設けられた橋上駅舎内に収められています。現在の駅舎は2010年 12月26日より使用が始まりました。

利用者の移動円滑化のため、駅舎内のコンコース（改札階）とホームを結ぶエレベーターおよびエスカレーターが設置されています。また、コンコースから北口の地上部へもエレベーターとエスカレーターが整備されています。ただし、南口の地上部とコンコース間にはエレベーターはありますが、エスカレーターは設置されていません。

2010年 12月まで使用されていた旧駅舎へ繋がっていた地下通路は、廃止されず南北を結ぶ自由通路として引き続き利用されています。

駅の西側には、井の頭線の車両基地である富士見ヶ丘検車区が隣接しており、これが当駅の運行上の重要な拠点となっている大きな要因です。また、駅の西方、上下線の間に引き上げ線が設けられており、これを利用して朝の通勤ラッシュ時間帯には当駅を始発とする渋谷方面行きの区間列車が設定されています。そのため、朝のラッシュ時には、座って通勤したい乗客が始発電車を待つためにホームが大変混雑する傾向にあります。

駅構内のトイレは2階の改札内に設置されており、ユニバーサルデザインに配慮した「だれでもトイレ」（オストメイト対応）も整備されています。

のりば

駅構内の案内サイン等では、1番線が渋谷方面、2番線が吉祥寺方面とされています。

当駅には富士見ヶ丘検車区が併設されていることから、終電や平日朝のラッシュ時など、多くの列車が当駅を始発または終着として運行されています。

特筆すべき点として、検車区から出庫して吉祥寺方面へ向かう列車の一部は、通常の進行方向とは逆向きに1番線へ入線します。このため、1番線には久我山方と高井戸方の両方に列車の停止位置目標が設けられています。これらの列車は、直接吉祥寺へ向かう列車のほか、回送列車として車庫から吉祥寺方面へ向かう際の折り返し線としても当駅が利用される場合があります。

また、早朝の各駅停車渋谷行きの一部列車（1本）は、当駅の渋谷方面にある渡り線の錆び取り作業を行うため、通常とは異なり1番線から発車します。

当駅は京王電鉄の急行列車は通過し、各駅停車のみが停車する駅ですが、検車区が隣接しているため、運行管理上は重要な駅として位置づけられています。このため、早い段階でホームにLED式の発車標が設置されており、後に井の頭線の全駅にも設置が進みました。

利用状況

2023年度（令和5年度）における当駅の1日平均乗降人員は12,575人でした。近年の1日平均乗降人員および乗車人員は、年度によって多少の変動が見られます。

駅周辺

駅の北側と南側にはそれぞれ商店街が形成されています。駅前広場（ロータリー）は設けられていません。商店街から一歩外れると、落ち着いた雰囲気の閑静な住宅地が広がっています。

周辺には公共施設や教育機関、歴史的な建造物などが点在しています。

杉並富士見ヶ丘郵便局
高井戸公園（現在整備中）
久我山運動場
富士見ヶ丘運動場（旧NHK富士見ヶ丘運動場、閉鎖済）
NHK富士見ヶ丘クラブハウス（建築家・前川國男が設計、1954年竣工）
京王電鉄富士見ヶ丘検車区
杉並区立富士見丘小学校
杉並区立富士見丘中学校
杉並区立久我山小学校
浴風会本館（建築家・内田祥三および土岐達人の設計、1926年竣工。2001年に東京都選定歴史的建造物に指定）
浴風会病院
神田川
警視庁高井戸警察署
オーケー杉並宮前店

隣の駅

京王電鉄井の頭線では、以下の駅に隣接しています。

■急行
当駅は急行列車は通過します。

■各駅停車
高井戸駅 (IN12) - 富士見ヶ丘駅 (IN13) - 久我山駅 (IN14)

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