岡崎慶輔

岡崎 慶輔

岡崎 慶輔（おかざき けいすけ、1979年1月11日 - ）は、日本のヴァイオリン奏者。福岡市に生まれる。

幼少の頃からヴァイオリンの手ほどきを受け、4歳で母親に師事した後、スズキ・メソードで学ぶ。その才能は早くから頭角を現し、13歳の若さで世界的ヴァイオリニストであるユーディ・メニューインの前で演奏し、高く評価される。1993年には第6回北九州国際音楽祭における「TOTOクフモプライズ」をわずか14歳で受賞し、この賞の最年少受賞者となる。この受賞を機に、フィンランドで開催されるクフモ室内楽音楽祭にも出演し、国際的な舞台での経験を積み始めた。

1994年、東京藝術大学附属高等学校に入学し、浦川宜也氏に師事。さらに研鑽を積むため、1996年からはドイツのリューベック音楽大学、1998年からはケルン音楽大学へと進み、著名なヴァイオリン教師であるザハール・ブロン氏のもとで学ぶ。1999年には文化庁芸術家在外研修員として引き続きケルン音楽大学での研修を深めた。2001年にはスイスのベルン音楽大学に移り、イゴール・オジム氏に師事する。2003年6月、同音楽大学のソリスト・ディプロマ課程を最優秀の成績で修了し、「Eduard-Tschumi-Preis」を受賞。同年10月からは、オジム氏に引き続き師事するため、モーツァルテウム音楽大学大学院課程に進んだ。

2004年9月からは、世界最高峰のオーケストラの一つであるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のカラヤン・アカデミーに入団。ここでは、サイモン・ラトル、安永徹、ガイ・ブラウンシュタインといった著名な指揮者やコンサートマスターの指導のもと、ソリスト、室内楽奏者、そしてオーケストラ奏者としての幅広い技能に磨きをかけた。また、ベルリン・フィルの元名コンサートマスターであるミシェル・シュヴァルベや、ヘルマン・クレバースからも薫陶を受けるなど、錚々たる音楽家たちから指導を受ける機会に恵まれた。

国際的なコンクールにおいても輝かしい成績を残している。1997年には第7回リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクール・シニア部門で日本人として初めて第1位を獲得。2001年の第20回ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリン・コンクールでは第1位に加え、リピツァー賞、ソナタ賞、オーケストラ賞、ゴリツィア・ロータリークラブ賞など多数の特別賞を受賞した。その後も、ヨゼフ・シゲティ・ヴァイオリン・コンクール（2002年ファイナリスト）、シオン・ヴァリス国際ヴァイオリン・コンクール（2003年第5位、現代曲賞）、ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクール（2003年ファイナリスト）、レオポルト・モーツァルト国際ヴァイオリン・コンクール（2003年奨励賞）、エリザベート王妃国際音楽コンクール（2005年ファイナリスト）など、数多くの難関コンクールで実績を積んだ。そして2005年、ミュンヘン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第1位に輝き、その地位を不動のものとした。

ミュンヘン国際コンクール優勝後は、ドイツを中心に、チェコ、ギリシャ、トルコ、そして日本など、世界各地で活発な演奏活動を展開している。オーケストラとの共演、リサイタル、室内楽など、その活動は多岐にわたる。特に、2006年からはミュンヘン国際音楽コンクールの各部門優勝者で構成されるアウラータ・クインテットのメンバーとして、EU各地でのコンサートに招待されており、室内楽奏者としても高い評価を得ている。その演奏は「透明感溢れる美しい響き、繊細で多彩な表現力」と評されている。

録音活動も行っており、2000年12月にはファーストアルバム「岡崎慶輔デビュー！」をデノンよりリリース。2008年9月には、同じくミュンヘン国際音楽コンクールピアノ部門の優勝者である伊藤恵氏と共演したセカンドアルバム「クロイツェル＆フランク」がフォンテックよりリリースされ、音楽評論家からも高い評価を受けた。

2010年～2011年シーズンからは、スイスの名門であるチューリッヒ歌劇場にコンサートマスターとして正式に就任し、そのキャリアの新たな一頁を開いた。日本国内でも、NHK交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、九州交響楽団など、多くの主要オーケストラと共演しており、指揮者では大友直人、小林研一郎、秋山和慶ら、ピアニストでは伊藤恵、江口玲、田部京子らと共演している。現代を代表するヴァイオリン奏者として、世界各地で活躍を続けている。

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