広幡前豊

広幡前豊（ひろはた さきとよ）

広幡前豊は、江戸時代中期に活躍した公卿で、広幡家の4代目当主です。最終的な官位は従一位・内大臣にまで至りました。

生涯

初めは輔忠（すけただ）と名乗っていましたが、後に近衛内前の猶子となり、その偏諱である「前」の字を賜り、祖父である豊忠から一字を取って前豊と改名しました。

延享2年（1745年）に叙爵を受け、以降、侍従、右近衛権少将、右近衛権中将といった役職を歴任し、宝暦4年（1754年）には従三位に昇進し、公卿の仲間入りを果たしました。宝暦元年（1751年）には、近衛内前の猶子となっています。その後も、権中納言や権大納言、踏歌節会外弁などの要職を歴任し、明和6年（1769年）には右近衛大将および右馬寮御監に任命されました。

明和7年（1770年）には、後桜町天皇の譲位と院政開始に伴い、院執権として院庁に奉仕し、安永3年（1774年）までその職を務めました。また、明和8年（1771年）には、新たに皇太后となった一条富子（桃園天皇女御、後桃園天皇生母）の皇太后大夫を兼務しましたが、こちらはすぐに辞職しています。安永4年（1775年）には内大臣に任ぜられましたが、同年のうちに辞職しています。天明元年（1781年）には従一位に昇叙しました。天明3年（1783年）に42歳で薨去しました。

系譜

父：広幡長忠
母：家女房（または醍醐冬熙の娘）
養父：近衛内前
妻：賢子女王（伏見宮貞建親王の王女）
男子：広幡前秀（1762年 - 1808年）
生母不明の子女：
女子：三条西廷季室
女子：綾小路俊資室

関連事項

* 広幡家

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