府中駅 (広島県)

府中駅（広島県府中市）

府中駅は、広島県府中市府川町にある、西日本旅客鉄道（JR西日本）福塩線の駅です。府中市の中心部に位置し、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

概要

府中駅は、福塩線の電化区間（福山方面）と非電化区間（塩町方面）の境界駅であり、福山方面と塩町・三次方面を直通する列車は運行されていません。そのため、福山方面と塩町・三次方面を相互に利用する乗客は、当駅での乗り換えが必要です。

列車の運行頻度としては、福山方面へは1時間に1 - 2本程度運行されていますが、塩町方面へは朝夕に5本のみと本数が限られています。かつては広島駅から当駅まで直通する普通列車が運行されていましたが、2021年10月2日のダイヤ改正で廃止されました。

また、府中駅はJR西日本の岡山支社と広島支社の境界駅でもあり、駅構内には支社境界標が設置されています。駅の管理は、府中鉄道部からせとうち地域鉄道部、岡山支社を経て、現在は中国統括本部の管轄となっています。

当駅発着の切符には、駅名が「（塩）府中」と印字される場合があります。これは、JR四国徳島線にある府中駅（こうえき）と区別するための措置です。

歴史

府中駅は、1914年（大正3年）に両備軽便鉄道の終着駅である府中町駅として開業しました。当時の駅は現在地ではなく、現在の場所から西北の永井町交差点付近に位置していました。

その後、1926年（大正15年）に両備軽便鉄道が両備鉄道に改称され、1927年（昭和2年）には両備福山駅（現・福山駅） - 当駅間が電化されました。1933年（昭和8年）には両備鉄道が国有化され、当駅も鉄道省福塩線の駅となりました。

1935年（昭和10年）には、横尾駅 - 当駅間が軌間1067mmに改軌され、同時に駅が現在地に移転しました。1938年（昭和13年）には、当駅 - 福塩北線上下駅間が延伸し、福山駅 - 当駅 - 塩町駅間が福塩線として全通しました。

1956年（昭和31年）には、駅名が府中駅に改称されました。1979年（昭和54年）に貨物取扱が廃止され、1986年（昭和61年）には荷物扱いが廃止されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に伴い、JR西日本の駅となっています。

2020年（令和2年）には、みどりの窓口が営業を終了し、代わりにみどりの券売機プラスが設置されました。

駅構造

府中駅は、2面4線の地上駅です。駅舎側には、1番線の切欠きホームと2番線の単式ホームがあり、跨線橋で連絡する3・4番線の島式ホームがあります。1・4番線は塩町方面が行き止まりとなっており、福山方面からの折り返し列車が使用しています。

2・3番線のみ塩町方面に通じており、信号機上は2番線が上り本線、3番線が下り本線とされています。日中は主に1・2番線のみが使用されています。

かつては、両備鉄道時代から車両基地（府中町電車区 → 府中電車区/岡フチ）が併設されており、車両（電車）も配置されていました。現在は、当駅 - 三次駅間で使用されている気動車（キハ120系）の車庫が併設されています。また、かつては構内に府中鉄道部がありました。

駅舎は木造瓦葺で、小ぶりなものを改装して使用しています。福塩線内では福山駅以外では唯一、LED式発車案内板が設置されています。

福山駅が管理する直営駅であり、自動改札機は設置されていません。ICOCAなどのICカードもサービスエリア外で使用できません。ただし、サービスエリア内の備後本庄駅 - 神辺駅間の自動改札機を管理しているため、該当駅のインターホンは当駅と繋がっています。

2020年3月14日のダイヤ改正以降は、ワンマンで運行する時間帯は改札が行われていないため、すべてのワンマン列車が他の無人駅と同様に、先頭車両で後乗り・前降り方式による運賃の車内精算となっています。

利用状況

近年の1日平均乗車人員は以下の通りです。

（省略）

駅周辺

府中駅周辺は、古くから府中市の中心地として栄えており、家具店や工場が多く見られます。駅前にはバス乗り場があり、中国バスの路線バスが発着しています。

特記事項

府中市では、市街地活性化のために、駅の南側にも改札口を設けて南口広場を整備することが検討されていますが、現在まで実現には至っていません。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

福塩線

鵜飼駅 - 府中駅 - 下川辺駅

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