志我閉阿弥陀

志我閉 阿弥陀について

志我閉阿弥陀（しがへ/しがべ の あみだ、生没年不詳）は、奈良時代に活躍した貴族であり、陰陽家としても知られています。彼の出自は志我閉氏（志我閉連）で、周王朝の霊王の太子である晋の子孫とされています。このことから、彼は周系の渡来氏族に属し、山田氏（山田宿禰）と同じ祖先を持つと考えられています。彼の氏名は、志我閇・志我部とも表記され、名は阿弥陁・阿弥太と記載されることもあります。位階は従五位下であり、平安時代に至るまで重要な役割を果たした人物です。

経歴

養老5年（721年）、元正天皇が官吏の中から特に優れた学識を持つ者を選び、賞賛を送る際、志我閉阿弥陀は陰陽術の技能が高いとして選ばれました。同じく選ばれた者たちには、大津首、津守通、王仲文、角兄麻呂などがいて、この時の賞として絁10疋、絹糸10絇、麻布20端、鍬20口が与えられました。この際に選ばれた人物たちは、後の神亀年間（724年 - 729年）における学芸の士として『藤氏家伝』に名を連ね、皇太子であった首皇子（後の聖武天皇）の教育に寄与する役割を担ったと見られています。

養老7年（723年）には、越智広江や高金蔵らとともに従五位下に叙爵されました。この地位に上がったことは、彼の才能や学問が評価された結果だといえます。従五位下の叙爵は、彼が朝廷からどれほど重要視されていたかを示す証左の一つです。

官歴

志我閉阿弥陀の官歴は『続日本紀』に記されており、重要な業績が挙げられています。彼はまず正六位上の位にあるとされ、その後、養老5年には皇室からの賞を受け、養老7年には従五位下に昇進しています。これらの業績は、彼が当時の文化や学術に与えた影響を示すものであり、陰陽家としての活動が評価される結果となりました。

参考文献

志我閉阿弥陀に関する詳細な情報は、以下の文献から確認することができます。特に『続日本紀』には彼の官歴や業績についての記録が豊富に存在します。彼の生涯や活動は、奈良時代の文化と社会を深く理解する上で重要な要素を提供してくれます。さらに、岩波書店から出版されている『続日本紀 2 新日本古典文学大系13』や、宇治谷孟による『続日本紀（上）』も参考になります。志我閉阿弥陀の人生を知ることで、奈良時代の貴族や学問の世界に触れることができるでしょう。

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