応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦

応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦

応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦（おうしょうきはい せかいぷろいご せんしゅけんせん）は、文字通り世界のプロ棋士が参加して、囲碁の世界一を決定する大会です。台湾の実業家であり、囲碁愛好家でもあった応昌期（おうしょうき）が私財を投じて創設しました。その規模の大きさから、囲碁界のオリンピックとも呼ばれています。

大会の特徴

開催頻度: オリンピックイヤーである4年に一度開催されます。
主催: 応昌期囲棋教育基金会が主催していましたが、近年は中国囲棋協会などが主催に加わっています。
賞金: 優勝賞金は40万米ドルと高額で、準優勝者にも10万米ドルが贈られます。
出場選手: 日本、韓国、中国、台湾、欧米など、世界各国の代表選手が招待されます。
ルール: 応昌期が考案した「計点制ルール（応昌期ルール）」が採用されています。これは中国ルールを改良したもので、黒番のコミが8点であることが特徴です。

応昌期ルール

応昌期ルールは、中国ルールをベースに、より実戦的な解決を目指したルールです。特に、着手禁止点の定義において、コウを含む同型反復の禁止を明確化しています。これにより、実戦での紛争を減らすことが期待されています。また、黒番のコミが8点というのも大きな特徴で、日本ルールとは異なる戦略が必要となります。

大会の歴史

1988年に第1回大会が開催されて以来、数々の名勝負が繰り広げられてきました。過去の大会では、以下のような出来事がありました。

第1回大会: 韓国の曺薫鉉（チョ・フンヒョン）が優勝し、韓国に囲碁ブームを巻き起こしました。
第2回大会: 中国代表の選出を巡り、中国囲棋協会所属の棋士がボイコットするという事件がありました。
第3回大会: 決勝戦で依田紀基がルールの解釈を誤るという場面がありました。
第5回大会: 常昊（じょうこう）が悲願の世界戦初優勝を果たし、中国勢初の応昌期杯制覇となりました。
第7回大会: 16歳の范廷鈺（はんていいく）が優勝し、世界を驚かせました。
第10回大会: 一力遼が日本勢として初の優勝を果たしました。

過去の優勝者

回	優勝者	国籍	決勝戦の相手	スコア
	--	--	--	--
1	曺薫鉉	韓国	聶衛平	3-2
2	徐奉洙	韓国	大竹英雄	3-2
3	劉昌赫	韓国	依田紀基	3-1
4	李昌鎬	韓国	常昊	3-1
5	常昊	中国	崔哲瀚	3-1
6	崔哲瀚	韓国	李昌鎬	3-1
7	范廷鈺	中国	朴廷桓	3-1
8	朴廷桓	韓国	唐韋星	3-2
9	申眞諝	韓国	柯潔	2-1
10	一力遼	日本	謝科	3-0

大会の意義

応昌期杯は、単なる囲碁の世界選手権というだけでなく、国際交流の促進、囲碁ルールの普及、囲碁文化の発展に大きく貢献してきました。応昌期の遺志を継ぎ、今後も囲碁界の発展に寄与することが期待されています。

関連情報

世界青少年[[囲碁選手権大会]]：同じ主催者による少年向け大会。
* 日本棋院 国際棋戦：https://www.nihonkiin.or.jp/

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