新釈漢文大系

『新釈漢文大系』は、明治書院が刊行する中国古典漢籍を網羅した大系です。古代中国から宋代に至るまでの、哲学（経書）、歴史（正史）、文芸における著名な古典作品を、詳細な注釈と現代語訳を付して紹介しています。原文と書き下し文を対照できる構成に加え、語釈、解説、索引を備え、研究者から一般読者まで幅広く活用できる内容となっています。

概要

『新釈漢文大系』は、本文と書き下し文を上下に配置し、原文、通釈（読み下し）、語釈（現代語訳と解説）、余説、索引といった構成要素を備えています。書籍は貼函入りのA5判で、上製、特上バクラム装という堅牢な造りです。本編は全120巻で構成され、別巻として内山知也による『漢籍解題事典』（2013年5月）があります。

1960年5月に『第1巻 論語』が刊行され、プロジェクトがスタートしました。当初の編集委員は、内田泉之助、林秀一、目加田誠、吉田賢抗、宇野精一でした。創刊当初から、各巻には寄稿された小論文などを掲載した『新釈漢文大系季報』が付属しています。

また、『新釈漢文大系』には、独自の編著として『中国名詞選』、『唐代伝奇』、日本人による秀作漢詩を収録した『日本漢詩 （上・下）』があります。『日本漢詩』の上巻は上代から幕末まで、下巻は幕末から昭和中期までの作品を収録しています。

2018年5月には、『白氏文集 十三』が刊行され、約60年におよぶ本編の刊行が完結しました。同年秋には、第72回毎日出版文化賞、第66回菊池寛賞を受賞しています。

続篇

2019年5月からは、『新釈漢文大系 詩人編』（全12巻）の刊行が開始されました。さらに、2023年11月からは『補遺編』（全9巻）の刊行も始まっています。

中国古典小説選

『中国古典小説選』（全12巻）は、竹田晃・黒田真美子が編者代表を務め、2005年11月から2009年10月にかけて刊行されました。古代から漢・六朝の志怪小説、唐代の伝奇小説を経て清代までの短編集を収録しています。

主な収録作品は以下の通りです。

穆天子伝
漢武故事
神異経
山海経
列仙伝
西京雑記
捜神記
幽明録
異苑
拾遺記
述異記
世説新語
古鏡記
白猿伝
遊仙窟
枕中記
李娃伝
鴬鴬伝
任氏伝
広異記
玄怪録
宣室志
緑珠伝
楊太真外伝
夷堅志
李師師外伝
剪灯新話
聊斎志異
閲微草堂筆記
笑林
笑賛
笑府

関連項目

新書漢文大系：『新釈漢文大系』の新書版（抄訳）。明治書院より刊行。
中国古典[[文学大系]]：平凡社より刊行。現代語訳の叢書で、『水滸伝』などの小説類も収録。
* 全釈漢文大系：集英社より刊行。儒教関連書籍を中心とした叢書。

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