東京都立神代高等学校

東京都立神代高等学校（とうきょうとりつじんだいこうとうがっこう）は、東京都調布市若葉町に所在する都立高校です。略称は「神高」（じんこう）で親しまれています。この記事では、主に全日制課程について記述します。

概要

1940年（昭和15年）に東京府立第十五高等女学校として開校。名称は、かつてこの地にあった神代村に由来します。調布市の東端に位置し、市内にある3つの都立高校の中で最も古い歴史を持ちます。周辺には寺社が多く、落ち着いた環境の中に、桐朋学園大学や武者小路実篤記念館などが点在しています。

学校群制度時代には府中高校と共に第七・八・九学区75群を構成し、グループ合同選抜制度時代には第十学区第101グループに属していました。その後、単独選抜制度を経て、2003年（平成15年）に学区制度は廃止されました。

校章や校歌は当時の在校生によって制作されたもので、昔ながらの自由な校風が特徴です。

沿革

1940年（昭和15年）
1月12日 - 東京府立第十五高等女学校として設置、府立第十高等女学校（豊島高）に併設。
4月 - 第一回入学式を挙行。
6月 - 校地を神代村入間（現在の校地）に決定。
1941年（昭和16年）2月 - 東京府立神代高等女学校に改称。
1942年（昭和17年）9月9日 - 神代村入間の校舎へ移転。
1943年（昭和18年）7月1日 - 都制実施に伴い東京都立神代高等女学校に改称。
1944年（昭和19年） - 校歌制定。
1947年（昭和22年）4月1日 - 東京都立神代高等女学校併設中学校を設置。
1948年（昭和23年）
4月1日 - 東京都立神代新制高等学校設置。夜間定時制併設。
6月17日 - 定時制課程第一回入学式を挙行。
1950年（昭和25年）
1月28日 - 東京都立神代高等学校に改称。
校歌制定。図書館竣工。
1954年（昭和29年） - 旧体育館落成。
1957年（昭和32年） - 新校舎（木造2階建て）落成。
1962年（昭和37年） - 鉄筋校舎第1期工事落成。
1964年（昭和39年） - 鉄筋校舎第2期工事落成。
1967年（昭和42年） - 学校群制度施行。府中高校と75群を組む。鉄筋校舎第3期工事落成。
1971年（昭和46年） - 服装自由化の実施（暫定標準服制定）。体育館、プール、食堂落成。
1981年（昭和56年）3月 - 創立40周年記念誌発行。
1988年（昭和63年）4月 - 標準服（制服ではない）制定。
1990年（平成2年）12月1日 - 創立50周年式典挙行。記念誌発行。
1991年（平成3年） - 体育館改築、格技棟落成。グランド改修完成。
2001年（平成13年）3月 - 創立60周年記念誌発行。
2006年（平成18年）8月31日 - 校舎北棟西側改築落成。校舎・体育館耐震補強工事完成。
2010年（平成22年）10月16日 - 創立70年記念式典挙行。記念誌発行。

設置学科

全日制課程
普通科（平成16年度以前入学生8学級、平成17年度以降入学生7学級）
定時制課程（夜間）
普通科

教育理念

教育目標

学び、鍛え、輝け
自ら進んで意欲的に「学び」、平和で民主的な国家・社会の形成者として貢献できる人物を育成する。
学校のあらゆる教育活動の機会を通し、自分を「鍛え」、自己の未来を逞しく切り拓き、創造的かつ主体的な生き方ができる人物を育成する。
人権を尊重し、自他を慈しみ、生命を大切にする人間性豊かな「輝き」に満ちた、心身ともに健全で、知性高く、感性豊かな人物を育成する。

象徴

校章

校章は、校内に約50本植えられているイチョウの葉をモチーフにデザインされています。1950年（昭和25年）、創立10周年記念事業として全校生徒から校章のデザインを募集し、青山久生（高校4回）のデザインが採用されました。

標準服

制服は定められていませんが、1988年4月に標準服が制定されました。上着は紺色のブレザーで、左胸ポケットに学校のエンブレムが刺繍されています。ズボンはグレー、スカートはグレーと赤のチェック柄の2種類があります。儀式的行事や始業式、終業式などでは標準服を着用します。

教育課程

1年次：基礎学力の定着を重視し、芸術選択科目以外は全員共通の科目を履修します。
2年次：週31時間中10時間が選択科目となり、進路に合わせた科目選択が可能になります。
3年次：週31時間中約半分が自由選択となり、生徒一人ひとりの進路希望に対応した学習ができます。

学校行事

全日制

体育祭：毎年6月上旬に校内グラウンドで開催されます。クラスごとに色分けされたオリジナルTシャツを着用し、騎馬戦、全員リレー、部活対抗リレーなどを行います。各クラスのカラーは、1組から順にピンク、赤、緑、紫、黄、紺、オレンジ、水色です。
神高祭（じんこうさい）：全日制の文化祭で、毎年9月中旬または下旬に校内で開催されます。生徒会が中心となって運営し、二日間の文化祭の初日には、校内バンドグループによる中夜祭が行われます。
音楽祭：毎年2月、調布市内のホールで開催されます。1、2年生がクラスごとに合唱を披露し、課題曲と自由曲の2曲で点数を競います。

夜間定時制

球技大会：以前は毎年6月に開催されていましたが、現在は3月に1、2年生合同で開催されています。
神定祭（じんていさい）：定時制の文化祭で、隔年10月下旬に開催されます。
体育祭：隔年10月下旬に開催されます。

部活動（全日制）

定時制課程が併設されているため、部活動は原則17時までですが、校舎を使用しない部活動は火～木曜日に限り18時までの特別延長が認められています。ハンドボール部が強く、2008年度には国公立高校大会で都内3位入賞を果たしました。

アコースティックギター部：バンド「ドアノブロック」が2014年（平成26年）に全国軽音楽連盟全国大会に出場しました。

部活動（夜間定時制）

同好会

男子ダンス同好会

交通

京王線仙川駅より徒歩7分
小田急バス
成城学園前駅西口・調布駅南口より：「神代高校前」下車（成04系統）
三鷹駅より：「仙川駅」下車（鷹54系統：三鷹駅 - 仙川駅）
吉祥寺駅より：「仙川（仙川折返場）」下車（吉03系統）
狛江駅より：「神代高校前」下車（成05系統）

施設

敷地面積は約24,000㎡。校舎、体育館、格技棟、プール、グラウンドの他、テニスコート3面、食堂（定時制専用）などが整備されています。校舎は南北に分かれており、東西2か所に南北校舎を結ぶ連絡通路があります。南校舎にはエレベーターが設置されています。

進路

約140の大学・短大から約530名の指定校推薦枠があり、大学進学者が多いです。

著名な出身者

学術・研究

石渡明 - 地質学者
木島佐一 - 予備校講師、著作家
串田嘉男 - アマチュア天文家

芸能・文化

二瓶有加 - 女優、元PINK CRES.メンバー
蒼羽りく - 元宝塚歌劇団宙組男役
高城晶平 - ミュージシャン (cero)
橋本翼 - ミュージシャン (cero)
鈴木隆仁 - 俳優
浪川大輔 - 声優
松山政路 - 俳優
峰あつ子 - 声優
山下優 - 俳優
吉木千沙都 - モデル、タレント

文学

賀東招二 - 小説家
久住昌之 - 漫画家
高橋三千綱 - 作家
宮下あきら - 漫画家

マスメディア

小林皓正 - アナウンサー
広瀬靖浩 - アナウンサー

その他

上島康夫 - サッカー選手
香川愛生 - 棋士
中倉宏美 - 棋士

本校が関連する作品

小説

『九月の空』 - 高橋三千綱の小説。作中の記述から本校がモデルと思われる。芥川賞受賞作品。
『フルメタル・パニック!』『フルメタル・パニック!アナザー』 - 賀東招二のSF小説。作中の都立陣代高校のモデル。

漫画

『ROOKIES』 - 森田まさのりの漫画。作中の「二子玉川学園高校」のモデルの一つ。
『ろくでなしBLUES』 - 森田まさのりの漫画。作中の「帝拳高校」のモデルは本校と都立武蔵高校。

音楽

『さよなら大好きだったよ』 - ケラケラのメジャーデビューシングル。ミュージック・ビデオを本校で撮影。

テレビドラマ

『青春とはなんだ』 - 日本テレビ系で放送された学園ドラマ。撮影を本校や都立三鷹高校などで行った。

脚注

外部リンク

東京都立神代高等学校
銀杏会（東京都立神代高等学校同窓会）

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