東海大学 (台湾)

東海大学について



東海大学(とうかいだいがく、Tunghai University)は、台湾中部の台中市西屯区に位置する私立大学です。1955年に設立され、台湾で最初の私立大学としてその歴史を刻み始めました。大学の略称は「東大(とうだい)」または「東海(とうかい)」として親しまれています。

歴史


東海大学の設立は、国共内戦後に台湾に移ったキリスト教系大学の関係者たちが、大学を復興させる計画の一環として行われました。当時、中国大陸に存在したキリスト教系大学13校の関係者が、台湾での大学復興を構想し、その一つとして東海大学が誕生しました。

設立当初は文学部と理学部の2学部のみでしたが、その後、教育内容と規模を拡大し、現在では9つの学部と34の学科を擁する総合大学へと発展しました。

キャンパス


東海大学のキャンパスは、広大な面積を誇り、1960年に完成しました。牧場を含めるとその広さは135.65ヘクタールにも及びます。キャンパスは、西側から教学区、宿舎区、活動区、牧場区と区分されています。また、東側では第2教学区の建設が進められています。

2021年1月には、開学時のキャンパスが台中市政府によって文化資産(文化景観)として登録されました。これは台湾初の事例であり、東海大学のキャンパスが持つ歴史的・文化的価値が認められたことを意味します。

沿革


東海大学は、台湾における私立大学の先駆けとして、教育の発展に貢献してきました。設立から現在に至るまで、多くの学生がこの学び舎を巣立ち、各界で活躍しています。

組織


東海大学には、多岐にわたる分野を網羅した学部と研究科が設置されています。研究機関も充実しており、生命科学研究センターやナノテクノロジー研究センターなど、専門性の高い研究が行われています。

また、実習農牧場や乳製品加工場などの附属機関や、校友会館も整備されています。教育機関としては、東海大学附属実験高級中学(高中部、国中部、小学部、幼兒園)を擁しており、大学の教育理念に基づいた一貫教育が行われています。

建築物


東海大学のキャンパス内には、独特な建築物が多く存在します。中でも特に有名なのが、ル・ルーシー・チャペル(路思義教堂)です。このチャペルは、柱を一切使わず、屋根自体が建物を支えるという斬新な構造で建てられています。その奇抜な形状は世界的に有名で、建築家イオ・ミン・ペイ(貝聿銘)の代表作の一つとして知られています。

姉妹校


東海大学は、世界各国の大学と姉妹校提携を結んでおり、国際的な交流を積極的に行っています。日本をはじめ、韓国、中国、アメリカなど、多くの国々の大学と交流があります。

【姉妹校の例】

日本:東海大学早稲田大学群馬大学大分大学千葉大学国際基督教大学関西学院大学高知大学山口大学桃山学院大学佛教大学立命館大学
韓国:建国大学校、延世大学校梨花女子大学校
中華人民共和国北京大学復旦大学中山大学四川大学浙江大学
香港:城市大学、中文大学、嶺南大学
フィリピンフィリピン大学
ベトナムベトナム科学技術アカデミー
タイ:チュラーロンコーン大学タンマサート大学、チエンマイ大学
マレーシアマラヤ大学
インドネシアインドネシア大学
アメリカ合衆国ミシガン州立大学ボストン大学ワシントン州立大学 (プルマン)
パナマ:スミソニアン熱帯研究所
アルゼンチン:コルドバ大学
ブラジルサンパウロ大学
イギリスオックスフォード・ブルックス大学
アイルランドダブリンシティ大学
ドイツヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学
フランスルクセンブルク大学
オーストラリアウーロンゴン大学グリフィス大学ニューサウスウェールズ大学

主な出身者


東海大学は、政界、学界、文化界など、多岐にわたる分野で活躍する多くの人材を輩出してきました。

【主な出身者の例】

政治家:蔡其昌(副立法院長)、田弘茂(海峡交流基金会董事長、元外務大臣)、游錫堃台湾の政治家、前民進党主席)、陳明文(元台湾嘉義県県知事)、詹春柏(前総統府秘書長、前国民党副主席)
国会議員:江昭儀(国会議員)、邱鏡淳(国会議員新竹県知事)、紀國棟(国会議員)、范巽綠(前国会議員、教育部政務次長)
教授:杜維明台湾大学、香港中文大学、パリ大学などで客員教授を歴任)、郎咸平香港中文大学財務学部の主席教授)、郭榮趙(元中国文化大学中国医薬大学華梵大学学長)
作家:司馬文武、九把刀
* その他:黄騰輝台湾の芸術家、実業家)、烏元彥(駐ソロモン諸島台湾大使)、姚仁喜建築家

まとめ


東海大学は、その長い歴史と教育実績、美しいキャンパス、そして多くの卒業生たちの活躍により、台湾を代表する大学の一つとして、国内外から高い評価を得ています。教育と研究の発展に貢献し続ける東海大学の今後の更なる発展が期待されます。

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