松平忠刻 (島原藩主)

松平忠刻（まつだいら ただとき）は、深溝松平家9代当主であり、肥前国島原藩の第4代藩主として江戸時代中期に活躍しました。官位は従五位下・主殿頭。

享保元年（1716年）に大身旗本・松平勘敬の次男として生を受けました。元文3年（1738年）、第3代藩主・松平忠俔が後継者を残さずに亡くなったため、その養子となり家督を継承。同年12月には従五位下・主殿頭に叙任されました。

藩主として、忠刻は先代からの課題であった家臣団の不祥事の収拾に尽力し、綱紀粛正を徹底的に行いました。家臣による不正を根絶するため、これまで以上に藩政の記録を詳細に残すよう努めました。寛保2年（1742年）、延享3年（1746年）、寛延元年（1748年）には倹約令を発令し、10万本のハゼノキを植樹して製蝋の基礎を築くなど、緊縮財政政策を推し進めました。また、学問の奨励にも力を注ぎました。

これらの藩政における実績が評価され、延享4年（1747年）には奏者番に任命され、幕政に参与する機会を得ましたが、これが予想外の出費増を招き、商人からの借金停止という事態に陥りました。

寛延2年（1749年）5月10日、参勤交代のため江戸へ向かう途中、周防国下松藩内で病を発症し、そのまま帰らぬ人となりました。享年34歳。跡は長男の忠祇が継ぎました。

系譜

実父: 松平勘敬
養父: 松平忠俔
正室: 土屋陳直の娘

子女

長男: 松平忠祇 - 母は正室
次男: 松平忠恕 - 母は正室
松平忠孝
巨勢忠睦

養女

松平勝尹室 - 実妹
* 土井利信室 - 松平忠救の娘

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