樺山久高

樺山久高（かばやま ひさたか）

樺山久高は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、島津氏の家臣として活躍しました。樺山忠助の次男として生まれ、樺山善久を祖父に持ちます。武芸に秀でていただけでなく、和歌や蹴鞠にも造詣が深く、教養人としても知られていました。

生涯

永禄3年（1560年）、島津氏の家臣である樺山忠助の子として誕生しました。樺山氏は島津氏の一族であり、久高は13代目の当主にあたります。当初、島津氏の重臣・大野忠宗の婿養子となり、大野七郎忠高と名乗りました。その後、天正4年（1576年）の高原城攻めや、天正12年（1584年）の沖田畷の戦いなどに従軍し、武将としての才能を発揮しました。天正13年（1585年）の堅志田城攻めでは敵を2人討ち取り、天正14年（1586年）の勝尾城攻めでは、手負いになりながらも敵を討ち取るという武勇を示しました。また、同年の岩屋城攻めでは一番首の功名を挙げました。同年には、島津義弘の陣に属して豊後国へ入り、犬童頼安・犬童頼兄とともに坂無城の守備を任されました。

天正14年（1586年）、豊臣秀吉の九州征伐の際、肥後国の豪族が離反して坂無城へ攻め寄せようとした際、新納忠元・伊集院久春とともに敵陣を破り、敵兵100名を討ち取るという活躍を見せ、無事に薩摩国への帰還を果たしました。島津氏が秀吉に降伏した後は、小田原征伐に向かう島津義弘の次男・島津久保に従いました。

天正19年（1591年）4月27日、義父である大野忠宗が島津義久の命により誅殺されたことで（理由は不明）、忠高も加世田に蟄居することになりました（後に蟄居先は谷山へ）。しかし、島津義弘から文禄の役へ参戦する島津久保の供をするように命じられ、離婚して樺山姓に復すと、樺山権左衛門久高と改名し、200石を加増され家老に任じられました。

文禄2年（1593年）、島津久保が病死すると一旦帰国しますが、再び朝鮮へ渡海し、泗川の戦いや李氏朝鮮の武将である李舜臣の水軍を破るなど、甥の樺山忠正とともに武功を挙げました。帰国後の慶長4年（1599年）6月、甥の樺山忠正が嗣子無く伏見で病死したため、久高が樺山氏を継ぎました。島津忠恒（家久）の代にも家老として重用され、慶長12年（1607年）には出水の地頭に任じられました。慶長14年（1609年）の琉球侵攻においても、首里城を落とすなどの武功を立て、島津氏の琉球支配に貢献しました。

寛永5年（1628年）に伊作（現在の鹿児島県日置郡吹上町）の地頭となり、同年出家して「玄屑」と号しました。しかし、領地の加増を訴えても主君である島津家久には無視され、跡取り息子にも先立たれて失意のうちに晩年を過ごしました。寛永11年（1634年）、病により75歳で亡くなりました。墓所は鹿児島県日置市にある多宝寺です。

樺山久高は、戦国時代から江戸時代初期にかけて、武将として、また教養人として、さらに家老として、その才能を発揮し、激動の時代を生き抜いた人物です。

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