橘真都我

橘 真都我について

橘真都我（たちばな の まつが、生没年不詳）は、奈良時代に活躍した女官であり、彼女の背景には華やかな血筋や多彩な官歴が多く含まれています。真都我は、正四位下中宮大夫・橘佐為の四女であり、県犬養三千代の孫娘です。また、彼女は正一位左大臣・橘諸兄の姪でもあります。

経歴

彼女の経歴は非常に興味深いもので、孝謙天皇の治世において幕を開けます。天平勝宝9歳（757年）閏8月、天皇の妃となった姉・古那可智や兄・橘綿裳と共に、広岡氏を授けられた際は、まだ官位を持っていませんでした。この同時期に、彼女は無位のままでありました。

その後、淳仁天皇の天平宝字5年（761年）には、着実に官位を上昇させ、無位から従五位下に昇進しました。この時点で、彼女は橘姓に戻り、宿禰姓となっていました。称徳天皇の天平神護元年（765年）には、県犬養姉女などと共に従五位上に昇格し、光仁天皇の宝亀2年（771年）には正五位下まで昇進しています。この年までに、彼女は再び朝臣姓に戻っていました。

さらなる昇進

宝亀3年（772年）には、久米若女と共に正五位上、さらに宝亀7年（776年）には、多治比古奈禰と久米若女と共に従四位下に昇格します。そして、桓武朝の延暦4年（785年）には、藤原諸姉・百済王明信とともに正四位上となり、翌延暦5年（786年）には、藤原諸姉や紀宮子と共に従三位に昇りました。このように、真都我は多くの昇進を果たした女官でありました。

家族と子供たち

結婚生活も非常に色濃く、藤原乙麻呂に嫁いだ際には、彼との間に許人麿を授かります。乙麻呂が亡くなった後は、継子である藤原是公の妾となり、真友、雄友、弟友の母となりました。公卿補任に記されている通り、藤原雄友は是公の三男であり、母親として「尚蔵三位麻通我朝臣」という記載があります。延暦13年条にも、藤原真友が是公の二男であるとの記載があります。このように、真都我はその家族関係からも重要な位置を占める存在でした。

生涯の総括

真都我の生涯は、官位の昇進のみならず、複雑な家系や結婚生活によっても特徴づけられています。彼女の子供たちは、その後の時代においても重要な役割を果たし、彼女自身も日本の古代史に名を刻む女性として知られています。そのため、彼女の存在は単なる女官にとどまらず、当時の権力構造の中でも重要な役割を担った貴族の一員でした。真都我の名は、橘氏の中でも特に記憶され、歴史に記録され続けることでしょう。

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