檜原村

檜原村（ひのはらむら）

東京都の多摩地域西部に位置する檜原村は、島嶼部を除いた東京都内で唯一の村です。その面積は都内でも3番目に広く、豊かな自然に囲まれています。村の大部分は関東山地の中にあり、多摩川の支流である秋川の上流に沿って集落が点在しています。標高は224.5mから1531mまで変化に富み、村の93%以上が森林で、その多くが秩父多摩甲斐国立公園に指定されています。中央高地式気候に属し、冬は都心よりも厳しい寒さに見舞われます。

地理

河川と地形

村の中心部である本宿は、北秋川と南秋川が合流して秋川となる地点に位置しています。ここから下流へ向かって上元郷、下元郷の地域が広がります。北秋川沿いには都道205号が、南秋川沿いには都道33号が通っており、それぞれが村の主要な動脈となっています。村内には、三頭山、御前山などの山々が連なり、ハイキングコースとしても人気があります。

気候

中央高地式気候に属しており、冬の寒さは厳しく、払沢の滝が凍結することもあります。降雪量も多く、路面凍結や集落の孤立といった雪害が発生しやすい地域です。

隣接自治体

東は八王子市とあきる野市、北は奥多摩町、西は山梨県小菅[[村]]、南は神奈川県相模原市と山梨県上野原市に隣接しています。

歴史

古代

縄文時代から人が住み着いていたことが確認されており、集落の跡が発見されています。古墳時代には渡来人が移り住んだという説もあり、人里（へんぼり）という地名は、モンゴル語や新羅語に由来するという説もあります。8世紀頃には、高麗系の渡来人である高安氏と橘戸氏がこの地に定住しました。

平安時代から戦国時代

平安時代の安和の変に関わる伝承や、鎌倉時代には和田氏や吉野氏の一族が落ち延びてきたという伝説が残っています。戦国時代には平山氏がこの地を支配し、檜原城を築きましたが、豊臣秀吉の関東侵攻によって落城しました。また、この時期には太神楽や式三番といった伝統芸能も始まりました。

江戸時代

江戸時代には天領となり、代官が置かれました。五日市から甲斐国へ抜ける甲州中道は、甲州道中の裏街道として利用され、本宿には番所が設けられました。主な産業は炭焼きや林業で、木炭は江戸へも出荷されていました。

近現代

明治維新後、村は韮山県、神奈川県を経て、1893年に東京府に編入されました。1889年の町村制施行により檜原村が誕生しました。しかし、村内では村政の主導権争いが続き、分村問題も発生しましたが、最終的には単独での自治体形成を維持しています。1943年には東京都の一部となりました。

行政

村長と議会

現在の村長は吉本昂二氏です。村議会は定数8人で構成されています。また、東京都議会と衆議院の選挙区に属しています。

広域連携

西多摩地域広域行政圏の各自治体との間で連携を行っており、利島村とは友好村として交流を深めています。

経済

産業

かつては林業や製材業が盛んでしたが、近年では採石業や建設業が中心となっています。また、農業では、芋類の栽培や、ワサビ、シクラメンなどの生産が行われています。食品加工業や工芸品の製作も盛んです。

買い物

村内にはコンビニエンスストアはありませんが、ミニスーパー「かあべえ屋」があります。日用品の買い物は、地元の商店や行商を利用することが多いです。

金融機関

JAあきがわ檜原支店と檜原郵便局がありますが、銀行や信用金庫はないため、隣接するあきる野市の金融機関を利用することが多いです。

地域

福祉・医療

村内には「やすらぎの里」という複合施設があり、診療所や福祉施設が集約されています。また、近隣の市町[[村]]と共同で公立阿伎留[[医療センター]]を運営しています。

福祉モノレール

急峻な山間部には、高齢者の移動を支援する福祉モノレールが設置されています。また、小林家住宅には観光用のモノレールが設置されており、観光客も利用できます。

文化・教育

学校教育

村内には、檜原小学校と檜原中学校があります。高等学校や大学はないため、生徒・学生は村外へ通学しています。

社会教育

村立図書館や郷土資料館、重要文化財の小林家住宅などがあります。また、村内各地で伝統芸能が伝承されています。

ライフライン

上下[[水道]]

村営水道がありますが、一部地域では沢水が利用されています。下[[水道]]は一部地域で供用されています。

電気・ガス

電気は東京電力、ガスはプロパンガスが供給されています。

ゴミ処理

ゴミ処理は、近隣の市町[[村]]と共同で実施しています。

交通

鉄道・バス

村内に鉄道は通っていません。最寄りの駅は武蔵五日市駅です。バスは、武蔵五日市駅から村内各地へ運行されています。

道路

村内には高速道路や国道は通っていません。都道33号、205号、206号が主要道路です。

放送・通信

テレビ放送

村内では共同受信施設でケーブルテレビが利用されています。

インターネット

固定回線では光ファイバーが利用可能です。また、一部施設では無料の公衆無線LANサービスが提供されています。

電話・郵便番号

市外局番は042で、郵便番号は190-02xxです。

観光

自然

秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、ハイキングや渓流釣り、バーベキューなどが楽しめます。奥多摩周遊道路はドライブコースとしても人気があります。

文化・歴史

檜原城址や小林家住宅などの歴史的建造物があります。また、各地で伝統芸能が継承されています。

主な観光スポット

払沢の滝、神戸岩、大岳山、南秋川渓谷、数馬地区、都民の森などがあります。

特産品

ゆずワイン、じゃがいも焼酎、ひのはらコンニャク、ひのはら豆腐などが特産品です。

その他

出身人物

衆議院議員の坂本一角氏や、海軍航空隊の一等飛行兵曹である山崎市郎平氏などの著名人がいます。

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