玉村八幡宮

玉村八幡宮について

玉村八幡宮（たまむらはちまんぐう）は群馬県佐波郡玉村町にある、重要文化財に指定される神社です。玉村町の中心に位置し、現代の玉村町役場の西側、玉村小学校と玉村高校の間にあたる場所に鎮座しています。この神社は、江戸時代の日光例幣使街道における玉村宿の近くにあり、多くの人々に親しまれてきました。

歴史的背景

玉村八幡宮の創建は、1195年（鎌倉時代の建久6年）に遡ります。源頼朝の命により、上野奉行の安達盛長が相模国の鎌倉鶴岡八幡宮から勧請し、当時は角渕村に位置して角渕八幡宮と呼ばれていました。1411年（応永18年）には鎌倉公方・足利満兼によって堂舎や僧坊が再興され、1507年（永正4年）には白井城の長尾氏が戦火で消失した社殿を再建しました。

その後、1605年（慶長10年）には関東郡代の伊奈忠次が新田開発の際に神社の建立を祈願し、1610年（慶長15年）に約束通り八幡神社の本殿を現在の地に移築して玉村八幡宮と名付けました。この境内は、さまざまな建物に囲まれており、特に中世の環濠屋敷跡としての価値が高い場所として認識されています。

文化財としての価値

玉村八幡宮は、何度も修理や改築が行われてきました。1638年（寛永15年）に酒井忠清による修理が加えられ、1649年（慶安2年）8月には徳川家光から朱印地が賜ったことが記録されています。1677年（寛文7年）には再度の修理が行われ、その後もたびたびの改築や修理が重ねられました。1749年（寛延2年）以降、地元の農民たちが「修理講」を結成し、祭りや修理の資金を集めるようになりました。

明治時代になると、神仏分離政策の影響を受け、社と寺が分けられ、1873年には村社に列されました。その後も、本殿は1908年に他の神社と合祀され、国の特別保護建造物に指定されました。1925年には県社に指定され、1950年には本殿が国の重要文化財に指定されるなど、歴史的価値が評価されています。

祭神と境内の施設

メインの祭神には、応神天皇（誉田別命）や神功皇后（気長足比売命）などが祀られており、多岐にわたる神々が分霊として迎えられています。境内には、重要文化財に指定された本殿、拝殿、幣殿があるほか、多くの社殿や歴史的建物が点在しています。

本殿は三間社流造りで、1507年に建てられたとされ、その後1610年に移築されました。現在の拝殿や幣殿も18世紀初頭の建築と考えられており、地域の歴史的遺産として大切にされています。

祭事とアクセス

玉村八幡宮では、さまざまな祭事が年間を通じて執り行われます。特に、歳旦祭や旧暦の八幡祭、秋の例大祭は多くの人々が訪れる伝統行事として知られています。

交通アクセスは、公共交通機関を利用する場合はJR高崎線の新町駅からタクシーで約15分、または高崎駅から約20分です。自家用車を利用する場合、関越自動車道の高崎玉村スマートインターチェンジから約10分の距離にあり、130台の無料駐車場が完備されています。

玉村八幡宮は、地域の人々の信仰の場であり、歴史と文化が息づく素晴らしい場所です。

もう一度検索