白川元春

白川元春

白川元春（しらかわ もとはる、1918年1月2日 - 2008年8月18日）は、日本の陸軍軍人、そして航空自衛官です。第11代航空幕僚長、第8代統合幕僚会議議長を務めました。

生い立ちと陸軍時代

東京府出身で、男爵であり陸軍大臣も務めた白川義則の三男として生まれました。東京府立六中を経て陸軍予科士官学校に進学。立川の飛行第5聯隊に所属しました。陸軍航空士官学校を卒業後、浜松陸軍飛行学校で学び、飛行第45戦隊に配属。その後、航空士官学校の区隊長を経て、飛行第90戦隊の中隊長としてマレーやジャワを転戦しました。陸軍大学校卒業後は、第2飛行師団の参謀となり、終戦時は南方軍総司令部参謀としてサイゴンにいました。

戦後の歩みと航空自衛隊

復員後は公職追放となり、妻の実家がある松江で本屋の番頭をしていました。1954年、航空自衛隊の発足に伴い、第1期公募幹部として入隊。戦中に胸を患ったためパイロットにはなれませんでしたが、幹部学校教官や航空幕僚監部で防衛、人事畑を歩みました。中部航空警戒管制団司令、航空総隊司令部幕僚長、西部航空方面隊司令官などを歴任し、1971年に統合幕僚会議事務局長に就任しました。しかし、その40日後、全日空機雫石衝突事故の責任を取り、当時の上田泰弘航空幕僚長が辞任。その後任として石川貫之が航空幕僚副長から昇格したため、白川が航空幕僚副長となりました。

航空幕僚長、統合幕僚会議議長として

1973年7月、第11代航空幕僚長に就任しました。航空幕僚長時代には、航空基地の抗堪性強化を主張し、後にその構想は実現しました。また、長沼ナイキ事件の対応にもあたりました。1年間航空幕僚長を務めた後、統合幕僚会議議長に就任し、1年半後の1976年3月に退官しました。

年譜

1939年4月：陸軍航空士官学校卒業、航空兵少尉・飛行第45戦隊付
1940年4月：陸軍中尉に進級
1940年10月：陸軍航空士官学校生徒隊付
1942年1月：飛行第90戦隊中隊長
1942年3月：陸軍大尉に進級
1942年12月：陸軍大学校入校
1944年5月：陸軍大学校卒業
1944年6月：鉾田教導飛行師団司令部付
1944年8月：陸軍少佐に進級
1944年10月：第2飛行師団参謀
1945年5月：南方軍総司令部参謀
1946年5月：復員
1947年11月28日：公職追放仮指定
1954年9月4日：航空自衛隊入隊（3等空佐）
1957年2月：2等空佐に昇任
1960年8月1日：1等空佐に昇任
1963年3月16日：航空幕僚監部人事教育部人事課長
1964年4月17日：航空幕僚監部防衛部防衛課長
1966年4月30日：西部航空方面隊司令部幕僚長
1966年7月1日：空将補に昇任
1967年7月17日：中部航空警戒管制団司令
1968年3月26日：航空総隊司令部幕僚長
1969年2月17日：航空幕僚監部人事教育部長
1970年7月1日：空将に昇任
1970年12月16日：西部航空方面隊司令官
1971年7月1日：統合幕僚会議事務局長 兼 統合幕僚学校長
1971年8月10日：航空幕僚副長
1973年7月1日：第11代航空幕僚長
1974年7月1日：第8代統合幕僚会議議長
1976年3月16日：退官
1988年4月29日：勲二等瑞宝章受章
2008年8月18日：肺炎のため死去、叙・正四位

栄典

レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 1974年3月5日
勲二等瑞宝章 - 1988年4月29日

参考文献

歴代航空幕僚長 - ウェイバックマシン（2004年9月10日アーカイブ分）
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

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