石川貫之

石川貫之は、1917年（大正6年）2月7日に生まれ、1994年（平成6年）7月11日に逝去した、日本の陸軍軍人、航空自衛官です。最終階級は、日本陸軍では陸軍少佐、航空自衛隊では航空幕僚長たる空将でした。

軍人としての経歴

石川貫之は、果樹園経営者の二男として生まれました。大分中学を卒業後、陸軍士官学校に入校。旧陸軍時代は当初、軽爆撃機の操縦者として、飛行第16戦隊に所属していました。1939年（昭和14年）のノモンハン事件で初陣を迎え、同年8月には九七式軽[[爆撃機]]で出撃しましたが、ソ連軍のI-16に撃墜され草原に不時着。しかし、間一髪のところで友軍機に救助されました。

1941年（昭和16年）3月、大尉に進級すると同隊の中隊長となりました。1943年（昭和18年）夏には、飛行分科を戦闘に転科。明野陸軍飛行学校の北伊勢分教所で訓練を受けた後、1944年（昭和19年）8月には、二式戦闘機「鐘馗」を装備する飛行第246戦隊の戦隊長に就任しました。1945年（昭和20年）4月には、同隊が四式戦闘機「疾風」に機種改編し、本土防空戦で活躍。最終的に10機撃墜の戦果を上げ、エース・パイロットとして名を馳せました。

戦後の経歴

戦後、石川貫之は公職追放となりましたが、その後、警察予備隊を経て航空自衛隊に入隊。F-86F操縦課程の米留第1期生としてアメリカに留学しました。帰国後は航空団の初代第1飛行隊長を務め、その後も第2航空団司令などを経て、航空幕僚監部防衛部副部長に就任しました。

1968年（昭和43年）7月には、FX（次期主力戦闘機）の調査団副団長として渡米し、F-4戦闘機の選定に携わりました。その後も、空幕監察官、西部航空方面隊司令官、飛行教育集団司令官などの要職を歴任。1971年（昭和46年）7月1日には、航空幕僚副長に就任しましたが、就任直後の7月30日に全日空機雫石衝突事故が発生しました。事故処理が終わった8月10日には、航空幕僚長の上田泰弘が辞任し、石川貫之が第10代航空幕僚長に就任しました。2年間の在任中には、沖縄が返還され、南西航空混成団が組織されました。

その他の情報

石川貫之の飛行時間は、陸軍、空自を通じて5,000時間にも及びました。退官後は、富士重工業の顧問を務めました。1991年（平成3年）11月3日には、勲二等瑞宝章を受章。1994年（平成6年）7月11日、77歳で逝去し、正四位を叙されました。

年譜

1938年（昭和13年）
6月：陸軍士官学校航空分校卒（第50期・同期に黒江保彦）、陸軍航空兵少尉任官、飛行第16戦隊附
10月：浜松陸軍飛行学校乙種学生修了
12月：陸軍航空兵中尉
1941年（昭和16年）3月：陸軍大尉、飛行第16戦隊中隊長
1943年（昭和18年）3月：鉾田陸軍飛行学校教官
1944年（昭和19年）
3月：陸軍少佐、明野陸軍飛行学校付
8月：飛行第246戦隊長
1945年（昭和20年）
8月：復員
11月：予備役
1947年（昭和22年）11月28日：公職追放仮指定
1952年（昭和27年）7月28日：警察予備隊入隊（3等警察正）
1954年（昭和29年）7月1日：航空自衛隊に転官（2等空佐）
1956年（昭和31年）1月10日：航空団第1飛行隊長
1959年（昭和34年）2月1日：1等空佐
1963年（昭和38年）3月16日：第4航空団副司令
1965年（昭和40年）3月31日：第2航空団司令
1966年（昭和41年）1月1日：空将補
1967年（昭和42年）7月16日：航空幕僚監部防衛部副部長
1969年（昭和44年）
1月1日：航空幕僚監部監察官
7月1日：第7代 西部航空方面隊司令官
1970年（昭和45年）12月16日：第9代 飛行教育集団司令官
1971年（昭和46年）
7月1日：第12代 航空幕僚副長
8月10日：第10代 航空幕僚長に就任
1973年（昭和48年）7月1日：退官。退官後は富士重工業顧問を務めた。
1991年（平成03年）11月3日：勲二等瑞宝章受章
1994年（平成06年）7月11日：逝去（享年77）、叙・正四位

栄典

勲二等瑞宝章 - 1991年（平成3年）11月3日

親族

父兄弟 - 石川鉠郎（陸軍少将）
義父 - 大塚寅雄（陸軍大佐）

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