索綝

索綝（さく ちん）

索綝は、西晋時代の人物で、字は巨秀といい、敦煌郡の出身です。後将軍の索靖の五男として生まれました。

生涯

幼い頃からその才能は際立っており、父の索靖は彼を高く評価していました。ある時、兄の仇である37人を討ち果たし、その勇敢さが称えられました。

秀才として推挙された後、郎中、太宰参軍、好畤県令といった官職を歴任し、その後も黄門侍郎、征西軍事、長安県令と昇進を重ねました。どの職務においても、その卓越した能力を発揮し、周囲から高く評価されました。

恵帝擁護と司馬模への従属

永安元年（304年）には、司馬顒の命により、恵帝を長安へ護衛する任務を遂行し、鷹揚将軍に任じられました。光熙元年（306年）には、司馬越による長安攻略後、南陽王司馬模の従事中郎将として許昌を守備しました。漢軍の侵攻に対しては、奮威将軍として出撃し、敵軍を撃破するなどの戦功を挙げました。

永嘉元年（307年）に司馬模が長安に出鎮すると、索綝もこれに従い、新平郡太守に任じられました。漢の劉聡配下の蘇鉄らが三輔に侵攻すると、安西将軍・馮翊太守として防衛にあたり、その威厳と恩徳によって民をまとめ、地域の安定に貢献しました。

西晋滅亡後の再起と最期

永嘉5年（311年）に洛陽が陥落し、懐帝が捕らえられると、長安も漢の手に落ち、司馬模も殺害されました。索綝は、晋の再興を決意し、安夷護軍の麹允らと共に安定へ逃れ、賈疋を説得して挙兵させました。そして、長安奪還を目指し、漢軍を破り、宗廟を修復するなど復興に尽力しました。

長安奪還後、司馬鄴（後の愍帝）が即位すると、侍中・太僕に昇進し、弋居伯に封じられました。その後も、前将軍・尚書右僕射などを歴任し、衛将軍・領太尉に任じられるなど、朝廷での地位を高めていきました。劉曜率いる漢軍の侵攻に対しては、都督・征東大将軍として迎撃し、これを撃退するなどの功績を挙げ、上洛郡公に封じられました。

しかし、建興4年（316年）に劉曜が再び長安に迫ると、城内は飢饉に見舞われ、遂には降伏を決意します。索綝は劉曜に条件交渉を持ちかけますが拒否され、長安は陥落。平陽へ連行された索綝は、劉聡によって処刑されました。

逸話

漢の陵墓が盗掘された際、司馬鄴から陵墓の財の多さを問われた索綝は、漢の陵墓が手厚く作られた理由を説明し、倹約の重要性を説きました。

人物評価

索綝は、その才能と忠義心によって西晋の朝廷に貢献しましたが、最後は志半ばで悲劇的な死を遂げました。しかし、彼の復興への熱意と民を思う心は、後世に語り継がれています。

参考文献

『晋書』 - 巻60 列伝30、巻89 列伝59
『資治通鑑』 - 巻86 - 巻89

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