貝掛温泉

貝掛温泉

貝掛温泉は、新潟県南魚沼郡湯沢町に位置する、苗場山の北東中腹の渓谷にひっそりと佇む温泉地です。その歴史は古く、鎌倉時代に白雲慧暁禅師によって発見されたという伝説が残っています。

泉質

貝掛温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム - 塩化物泉です。自家源泉から自然湧出しており、その湧出量は毎分約400リットルにも及びます。泉温は約37°Cとぬるめで、ほとんど無色透明、そしてわずかに塩味があるのが特徴です。

特に、眼病に対する効能が高いことで知られ、「日本三大 目の湯」または「日本三大眼の温泉」の一つに数えられています。他の二つは、姥子温泉（神奈川県箱根町）と微温湯温泉（福島県福島市）です。

露天風呂は源泉掛け流しと、熱交換加熱によって約41°Cに昇温された湯の2種類があり、合計7つの湯舟で温泉を楽しむことができます。冬には、雪見露天風呂として風情のある景色を堪能できます。

温泉街

標高約800メートルの山中に、重厚な庄屋造りの一軒宿「貝掛温泉」があります。株式会社貝掛温泉は、「日本秘湯を守る会」の初期からの会員です。清津川の支流であるカッサ川（勝沢川）沿いに位置し、両川の合流点にかかる貝掛橋を渡ると、そこには温泉宿と豊かな自然だけが広がります。宿の池では、地域の特産である錦鯉が優雅に泳いでいます。

また、日本三大渓谷の一つである清津峡が下流に位置しており、温泉と併せて自然を満喫できるのも魅力です。

歴史

貝掛温泉の歴史は古く、歌人の堯恵が文明18年（1486年）に著した下葉和歌集に、貝掛温泉での湯治について言及した記述が残っています。また、戦国時代には上杉謙信が隠し湯として利用し、兵士たちの疲労回復や傷の治療に役立てたと言われています。江戸時代には、眼病に効く湯として湯治客を集め、信仰も深まりました。

明治時代には、湯守が目薬「快眼水」を製造販売し、昭和初期まで販売されていました。大正時代には与謝野晶子も訪れた記録が残っています。

魚沼大水害によって一時廃業を余儀なくされましたが、1955年に地元の人が湯を復興させ、現在に至ります。

交通アクセス

公共交通機関

上越新幹線 越後湯沢駅から南越後観光バスYN線で約20分、貝掛温泉バス停下車後、徒歩約10分。

自動車

関越自動車道 湯沢ICから国道17号経由で約15分。宿の専用橋を渡ってアクセスします。

豪雪地帯のため、冬季は積雪に注意が必要です。越後湯沢駅からの路線バスを利用する場合は、宿に連絡すれば迎えに来てもらえます。

貝掛温泉は、歴史と自然に囲まれた、心身を癒すことができる温泉地です。ぜひ一度訪れてみてください。

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