車紐

車紐（しゃにゅう）

車紐（呉音：しゃにゅう、漢音：しゃじゅう、拼音：Chēniŭ、生没年不詳）は、中国後漢時代の南匈奴の単于です。

生涯

永建5年（140年）4月、南匈奴左部の句龍大人（たいじん：部族長）である吾斯（ごし）・車紐らが反乱を起こし、西河郡を侵略しました。彼らは右賢王を誘い、美稷県を包囲し、朔方郡・代郡の長史を殺害するという暴挙に出ました。

5月、度遼将軍の馬続は、使匈奴中郎将の梁並、護烏桓校尉の王元とともに、国境部隊および烏桓・鮮卑・羌胡の兵士、総勢2万余人を動員し、反乱軍を撃破しました。しかし、吾斯らはすぐに勢力を回復し、再び屯聚して城邑を攻め落としました。この反乱の責任を問われた南単于とその弟は、使匈奴中郎将の陳亀に責め立てられ、自殺に追い込まれました。

9月、句龍吾斯らは車紐を単于に擁立し、東の烏桓、西の羌戎およびその他の胡族数万人とともに、京兆尹の虎牙営を攻め破り、上郡都尉および軍司馬を殺害しました。さらに、并州・涼州・幽州・冀州にも侵略の手を伸ばしました。

11月、使匈奴中郎将の張耽は、幽州の烏桓および諸郡の営兵を率いて単于車紐を攻撃しました。車紐らは馬邑で大敗を喫し、多くの豪帥や骨都侯を率いて降伏しました。しかし、句龍吾斯だけはその後も侵入略奪を続け、後漢への抵抗を続けました。

参考資料

* 『後漢書』（孝順孝沖孝質帝紀第六、南匈奴列伝）

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