金剛麗子

金剛麗子は、1904年8月25日に生まれ、1964年12月5日に亡くなった日本の女優です。彼女の生涯は、舞台と映画の両方で輝かしい足跡を残しました。

初期の舞台活動

神戸高等技芸学校を卒業後、倉橋仙太郎が主宰する新民衆劇学校で演技を学びました。1924年4月には、新民衆劇一派（後の第二新国劇）の公演『京の友禅』に、研究生仲間であった原健策や大河内傳次郎らと共に出演し、舞台女優としてのキャリアをスタートさせました。その後、関西新派、新潮座、新声劇などの劇団を経て、1933年秋には山口俊雄、月形龍之介、五月信子らと共に劇団「享楽列車」を結成し、舞台女優としての地位を確立しました。

映画界での活躍

1937年、映画『権三と助十』への出演を機に映画界へ進出しました。その後、新興キネマに入社し、1942年の統合で大映へ移籍。戦時中には大映の宣伝部員であった長嶋富三郎と再婚しました。戦後も大映に所属し、数多くの時代劇作品に出演しました。また、松竹や東宝といった他の映画会社にも出演し、幅広い役柄を演じました。

多才な一面

女優業と並行して、京都市新京極に居酒屋「金剛」を開店しました。この店は、映画監督の野淵昶や当時助監督だった加藤泰など、多くの映画関係者に愛され、交流の場となりました。1962年に引退するまで、女優業と居酒屋経営の両立を続け、その多才さを発揮しました。

引退と晩年

1962年に女優業を引退した後、乳癌を患い手術を受けましたが、全身転移のため、1964年12月5日に生涯を閉じました。金剛麗子の生涯は、女優としての才能だけでなく、その人間的な魅力によって多くの人々に愛されました。

主な出演作品

映画

紺屋高尾（1935年、太秦発声映画）
権三と助十（1937年、J.O.スタヂオ）
火砲の響（1943年、大映）
赤城から来た男（1950年、大映）
西鶴一代女（1952年、新東宝・児井プロダクション）
雨月物語（1953年、大映） - 遊女屋の老女
怪猫有馬御殿（1953年、大映）
花の喧嘩状（1953年、大映）
花の三度笠（1954年、大映）
山椒大夫（1954年、大映） - 汐乃
近松物語（1954年、大映） - 船宿の女中
怪猫岡崎騒動（1954年、大映）
阿波おどり狸合戦（1954年、大映）
夜の河（1956年、大映） - 山城屋の女主人
怪猫五十三次（1956年、大映）
白扇 みだれ黒髪 (1956年、東映)
怪談千鳥ケ淵（1956年、東映）
大阪物語（1957年、大映）
日蓮と蒙古大襲来（1958年、大映）
次郎長富士（1959年、大映）
かげろう笠（1959年、大映）
千代田城炎上 (1959年、大映)
怪談累が淵（1960年、大映）
大江山酒天童子（1960年、大映）
悪名（1961年、大映）
かげろう侍（1961年、大映）
おけさ唄えば（1961年、大映）
釈迦（1961年）
雁の寺（1962年、大映）
ソーラン渡り鳥（1962年、大映）

舞台

冬木心中（新民衆劇、1924年8月14日、三友劇場） - おせん
民衆のために（新潮座、1926年10月6日 - 17日、京都座） - 娘
岡崎踊（新声劇、1930年9月30日、岡崎市公会堂）
三原山晴天（劇団・享楽列車、1933年11月10日、大阪・角座）


金剛麗子は、舞台と映画の両方で活躍し、その才能と人間性で多くの人々に愛された女優でした。

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