長島 (鹿児島県)

長島の概要

長島（ながしま）は、天草諸島の主島であり、諸浦島や伊唐島、獅子島などを含む長島列島を形成しています。この島は南北に約15キロメートル、東西に約11キロメートルの広さを持ち、面積は90.79平方キロメートルです。鹿児島県長島町全域に属し、地元では「長島本島」または「本島」として親しまれています。

地理的特徴

長島は、東シナ海に面する西岸と、八代海に接する北岸および東岸に囲まれています。南端は黒之瀬戸と呼ばれる幅約300メートルの水路で九州本土から隔てられており、梶折鼻（阿久根市）とは黒之瀬戸大橋で結ばれています。さらに、北西には長島海峡を隔てて天草下島が望まれ、島内の蔵之元港から天草市の牛深港へは三和商船のフェリーが運航しています。

また、長島は北東に乳之瀬戸を挟んで諸浦島、伊唐瀬戸で伊唐島と接しています。長島と諸浦島は乳の瀬橋、長島と伊唐島は伊唐大橋によってつながっています。西岸には国道389号、東部には県道47号が通っています。

島の地形は丘陵が主で、平坦な地は少ないため耕地は全体の約20%を占めます。温暖な気候が特徴で、北東部海岸の北方崎ではヘゴが自生する自然の保護区域があり、鹿児島県の天然記念物に指定されています。古くから柑橘類の栽培が盛んで、特に日本で初めて栽培されたウンシュウミカンの発祥地としても知られています。北西部分はリアス式海岸となっており、漁港が点在し地域の漁業が盛んです。

島の山々

長島にはいくつかの山があります。

• - 大中岳：標高403メートル、島の最高峰となっています。
• - 矢岳：標高402メートル。
• - 行人岳：標高393メートル。

これらの山々は観光やハイキングに訪れる人々にとって魅力的なスポットです。

歴史的背景

長島の歴史は古く、かつては「仲島」や「大仲島」と称されていました。4世紀には、有明海から八代海にかけて勢力を持った肥君一族の支配下にあり、この島は天草国、後の肥後国天草郡の一部となりました。778年には遣唐使の船が漂着したことから「唐隈」という地名が残されています。鎌倉時代になると長島氏がこの地域を支配し、戦国時代には相良氏の影響下にありました。

1565年から1581年の間には島津氏による侵攻を受け、堂崎城が落城、そこから薩摩国に編入されることとなりました。江戸時代には牧場が展開され、馬の放牧が行われました。1889年には町村制の施行により、東長島村と西長島村に分割されましたが、2006年に長島町として統合されています。

地質

長島の地質は、天草諸島に広がる白亜紀後期から古第三紀の地層に由来し、その上に鮮新世の肥薩火山群由来の火山噴出物が積もっています。これらの噴出物は島の大部分を覆っており、北端部海岸にのみ基盤地層が露出しています。火山の噴出物には凝灰岩と安山岩が含まれ、侵食が進んでいるため、原始的な火山の姿は残っていません。北部には長島断層が走り、地形が形成されています。

長島はその自然、歴史、地理的特性により、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。

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