長野県大町高等学校とは？意味をやさしく解説

長野県大町高等学校

長野県大町高等学校は、かつて長野県大町市に所在した公立高等学校です。その歴史は古く、1901年に長野県立松本中学校大町分校として開校しました。その後、長野県立大町中学校として独立、1959年に長野県大町高等学校と改称されました。1993年には特色学科として理数科が設置されましたが、2016年4月に長野県大町北高等学校と統合され、その歴史に幕を閉じました。統合後は、校舎の一部が長野県大町岳陽高等学校として利用されています。

沿革

1901年（明治34年）4月1日 - 長野県立松本中学校大町分校として弾誓寺境内に開校。
1901年（明治34年）6月23日 - 現在地に校舎を新設。
1904年（明治37年）4月1日 - 長野県立大町中学校として独立。
1920年（大正9年）4月1日 - 長野県大町中学校に改称。
1948年（昭和23年）4月1日 - 学制改革により、長野県大町南高等学校となる。
1959年（昭和34年）4月1日 - 長野県大町高等学校と改称。
1993年（平成5年）4月1日 - 理数科を設置。
2003年（平成15年）4月 - 文部科学省より学力向上フロンティアハイスクールの指定を受ける（3年間）。
2006年（平成18年）9月15日 - 長野県大町北高等学校との統合案が県議会で否決。
2011年（平成23年）2月 - 県議会において長野県大町北高等学校との統合案が同意。
2016年（平成28年）4月 - 長野県大町北高等学校との統合により閉校。長野県大町岳陽高等学校が開校。

教育目標

高等学校教育を徹底し、民主的文化国家の形成者として、質実剛健で豊かな情操と高い知性を備え、真理を追求し、自主的精神に満ちた、心身ともに健全な生徒を育成することを目標としていました。

校章

校章は、北アルプスに咲くシラネアオイを図案化したものです。可憐な花に見える部分はガクが変化したもので、厳しい自然とともに生きる学校の質実さを表しています。

校歌

作詞は吉丸一昌、作曲は島崎赤太郎です。1911年に開校10周年を記念して制定されました。吉丸一昌は大町を訪れて作詞し、その歌詞には地名や固有名詞は含まれていません。大町・安曇野地域の自然と、そこで学ぶ生徒への奨励が歌われています。吉丸一昌は「早春賦」の作詞者としても知られ、その着想はこの大町・安曇野訪問の際に得たものとされています。

学校行事

学校行事として、全校登山、合唱コンクール、強歩大会、スキー・スノーボード教室などがありました。

全校登山: 白馬岳、燕岳、穂高岳、蝶ヶ岳、唐松岳など、自分の体力に合わせて登山コースを選択しました。
合唱コンクール: 秋に全校で行われました。
強歩大会: 鹿島槍スキー場を経由する約30キロメートルのコースで行われました。
スキー・スノーボード教室: 冬に1年生を対象に行われました。
文化祭: 「白嶺祭（しらねさい）」と称し、その名前は北アルプスに由来します。

その他

応援練習: 県内の旧制中学校をルーツとする公立高校によくある伝統として、新入生は入学直後に応援団から応援練習を受けました。
挨拶: 挨拶は「魂知和(こんちわ)」が使われ、応援練習で指導され生徒に広く浸透し、公的な場でも用いられました。
クラブ活動: 山岳部やスキー部が盛んで、毎年全国高等学校総合体育大会（インターハイ）へ選手を送り出していました。近年では、陸上部もインターハイで活躍していました。
仏崎観音寺登山ルート: 2001年に大町高校百周年を記念して山岳部が開設し、以後毎年維持管理を担っていました。

アクセス

JR大糸線信濃大町駅

主な出身者

学者・教育者

縣秀彦 - 天文学
一志茂樹 - 地方史学
岩波洋造 - 植物学
羽田健三 - 生物学
吉田亮 - 医学、元千葉大学長

スポーツ

梅崎慶大 - 元スキージャンプ選手
奥原為雄 - 元プロ野球選手
勝野裕士 - 元バレーボール選手
三戸呂拓也 - 登山家
百瀬慎太郎 - 登山家

その他

乙葉 - タレント
川井英良 - 公安調査庁長官（第6代）
高橋将市 - 文化放送アナウンサー
田中登 - 映画監督
平林盛人 - 陸軍中将
丸山俊郎 - 実業家、しろうま荘支配人
村瀬清 - 東京市神田区長（官選）、千代田区長（公選）
山本実彦 - 東京毎日新聞元社長、改造社元社長、衆議院議員、戦後日本協同党委員長
吉田正 - 衆議院議員、協同乳業創業者

長野県大町高等学校