長野県飯田高等学校

長野県飯田高等学校は、長野県飯田市上郷黒田に位置する公立高校です。地元では旧校名である「高松（たかまつ）」の名で親しまれています。生徒の自主性を尊重する自由な校風が特徴で、制服ではなく私服での通学が認められています。生徒会は「自治会」と呼ばれ、生徒が主体となって学校運営に関わる伝統が現在も受け継がれています。

学校の特色

自由な校風と生徒の自治

飯田高校は、生徒の自主性を重んじる校風が特徴です。校則が少なく、生徒は私服で通学することが認められています。また、生徒会は「自治会」として組織され、生徒が主体となって学校生活を運営しています。この伝統は、学校創立当初からのもので、生徒の自主的な活動を奨励する風潮が強く残っています。

多彩な部活動

部活動は「班」活動と呼ばれ、運動班、学芸班、同好会があります。運動班は26、学芸班は15、同好会は7（2015年度時点）と、生徒は自分の興味や関心に合わせて多様な活動に参加できます。特にラグビー班は県内有数の強豪校として知られており、花園への出場経験も豊富です。

教育課程

普通科と理数科が設置されており、生徒はそれぞれの進路目標に合わせて学習に取り組むことができます。授業は1コマ55分で、1日6時限授業が行われます。木曜日にはLHR（ロングホームルーム）が設けられており、クラスでの活動や進路指導などが行われています。

沿革

飯田高校の歴史は古く、1882年に郡立下伊那郡中学校として開校しました。その後、幾度かの変遷を経て、現在の長野県飯田高等学校となりました。以下に主な沿革をまとめます。

1882年：郡立下伊那郡中学校として開校
1884年：長野県中学校飯田支校となる
1893年：長野県尋常中学校飯田支校が開校
1900年：長野県飯田中学校として独立
1948年：長野県飯田東高等学校となる
1949年：長野県飯田高松高等学校と改称
1958年：長野県飯田高等学校と改称
1999年：理数科設置

学校の目標と文化

学校重点目標

飯田高校は、以下の4つの学校重点目標を掲げています。

確かなる人間力のある学校
確かなる学力のある学校
自主・自立（律）力のある学校
信頼力のある学校

これらの目標に基づき、生徒の全人的な成長をサポートしています。

文化祭「高松祭」

文化祭は「高松祭」と呼ばれ、旧校名に由来しています。この祭りの最後には、参加者がボディーペイントなどを施し、火を囲んで踊るファイヤーストームが行われるのが恒例です。また、花火も打ち上げられ、盛大な盛り上がりを見せます。

校歌

校歌は「南信健児」と呼ばれ、福沢悦三郎が作詞、井出茂太が作曲を担当しました。この校歌は、生徒たちの誇りとなっています。

アクセス

最寄りの駅はJR飯田線の伊那上郷駅で、駅から徒歩約5分の距離にあります。ただし、電車の運賃を節約するために、下山村駅から徒歩で通学する生徒もいます。これは、飯田線の路線がオメガカーブを描いているため、下山村駅から学校までの方が直線距離で近いからです。「下山ダッシュ」と呼ばれるこの通学方法は、卒業生の間でもよく知られています。実際に、卒業生である長野朝日放送の草田敏彦アナウンサーも、自身の担当番組で高校時代にこの通学方法を使っていたことを明かしています。

著名な卒業生

飯田高校は多くの著名な卒業生を輩出しています。以下に主な卒業生を五十音順で紹介します。

赤羽一雄（教育者）
阿智太郎（ライトノベル作家）
新井章仁（TVディレクター）
石田瑞穂（元防災科学技術研究所研究主監、元日本地震学会会長、紫綬褒章）
伊藤郷平（地理学者、元愛知教育大学学長）
井上正（美術史家）
井ノ口あさ子（アナウンサー）
印南高一（演劇史家、元早稲田大学文学部長）
大江礒吉（教育者）
大野實雄（法学者、早稲田大学名誉教授）
奥村晃作（歌人）
恩地日出夫（映画監督、疎開中に在籍）
数江教一（倫理学者、中央大学名誉教授）
片桐康策（ラグビー選手）
加藤篤士（臨床心理学者）
上條謙二郎（東北大学名誉教授、元角田宇宙センターロケット推進研究部長、紫綬褒章）
上沼八郎（教育者）
香山小鳥（版画家、詩人）
河竹繁俊（劇作家）
北川原温（建築家、東京芸術大学教授）
北原名田造（元駒ヶ根市長）
北原ゆき（放送作家）
木下秀樹（元福井地方裁判所長・元名古屋高等裁判所部総括判事）
日下部かおり（声優）
草田敏彦（アナウンサー）
久保田正文（文芸評論家、小説家）
久保田祥江（アナウンサー）
熊谷弘（元内閣官房長官・元通産大臣・元保守新党代表、通産官僚）
熊谷元一（写真家）
小池浩司（元舞台俳優、声優）
小坂樹徳（医学者、東京大学名誉教授）
小島麗逸（大東文化大学名誉教授、元アジア経済研究所調査研究部次長）
後藤総一郎（明治大学政治経済学部教授、常民研究）
櫻井孝（元特許庁特許技監、工業所有権協力センター副理事長）
佐々木孝治（元ユニー社長、元日本チェーンストア協会会長）
佐藤健（飯田市長）
塩沢実信（作家）
塩澤快浩（編集者）
代田昭久（教育者）
代田稔（ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株（ヤクルト菌）を発見）
菅沼龍夫（宮崎大学学長）
杉本麻樹（慶應義塾大学理工学部教授）
須山計一（美術評論家）
相馬敏夫（大蔵官僚）
園原健弘（バルセロナオリンピック競歩代表）
田口成光（脚本家・放送作家・ゲーム企画プロデューサー）
田中正明（新聞編集者）
鎮西清高（地質学・古生物学者、京都大学名誉教授、大阪学院大学名誉教授）
寺澤孝文（岡山大学大学院教育学研究科教授）
中島衛（元科学技術庁長官）
中塚勝人（東北大学副総長）
中原謹司（政治家）
野溝勝（政治家）
羽場仁志（作曲家）
原広司（建築家、東京大学名誉教授）
原弘（グラフィックデザイナー）
日夏耿之介（詩人）
古島和雄（歴史学者、東京大学名誉教授）
古島敏雄（歴史学者、東京大学名誉教授）
細田佳也（ラグビー選手）
本多勝一（元朝日新聞記者、作家、ルポライター）
牧野光朗（前飯田市長）
松井卓治（医師、元飯田市長）
松澤太郎（元飯田市長）
松下隆章（美術史家）
松村一登（言語学者、東京大学教授）
丸山克俊（体育教育学者、東京理科大学教授）
丸山寿（日立化成社長、合成樹脂工業協会副会長）
南嶌宏（美術評論家）
宮下直（東京大学農学生命科学研究科教授）
宮下正美（児童文学作家）
宮島篤（元東京大学分子細胞生物学研究所所長、元日本生化学会会長）
宮島裕之（ラグビー選手）
椋鳩十（児童文学作家）
吉川亮夫（衆議院議員）
吉川泰弘（獣医学者、東京大学名誉教授）
吉澤宙彦（俳優）
吉沢文洋（ラグビー選手）
吉田博美（参議院議員）

進学状況

飯田高校の卒業生は、多くの国公立大学に進学しています。2016年から2019年までの卒業生の新卒での国公立大学合格者数を地域別に分類したデータによると、多くの生徒が地域内外の大学に進学していることが分かります。

関連情報

 長野県高等学校一覧
日本の理数科設置高等学校一覧
旧制中学校
旧制中等教育学校の一覧 (長野県))

外部リンク

公式ウェブサイト
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