青木島町

長野市青木島町

長野県長野市中央部に位置する青木島町は、犀川が北端を流れ、東部には国道18号篠ノ井バイパス、西部には国道117号が南北に走る交通の要衝です。この地域は、歴史的には青木島村として存在し、度重なる変遷を経て現在の長野市の一部となりました。この解説では、青木島町とその周辺地域、そしてかつて存在した青木島村について詳しく見ていきます。

青木島町の範囲

青木島町という名称は、その範囲によっていくつかの定義があります。

最狭義: 青木島一〜三丁目の範囲を指します。
狭義: 上記に加えて、青木島町青木島、青木島町綱島、青木島町大塚を含めた範囲を指します。
広義: さらに、大橋南一〜二丁目、丹波島一〜三丁目、三本柳東一〜二丁目を加えた範囲を指します。これは、1889年（明治22年）時点の更級郡青木島村域に相当する、長野市役所更北支所管内の青木島地区を意味します。

本記事では、広義の範囲に加え、三本柳東三丁目・三本柳西一〜三丁目についても解説します。これらの地域は、それぞれ長野市役所の管轄が異なり、三本柳西一〜三丁目は川中島支所、その他は更北支所の管轄です。

地域の特徴

青木島町は、犀川沿いに広がる郊外の地域であり、田畑も多く残る一方で、宅地化が急速に進んでいます。特に、丹波島橋で長野市街地に直結する丹波島地区周辺では、区画整理が進み、ベッドタウンとしての役割を強めています。この地域の世帯数は、長野市との合併時である1966年（昭和41年）と比較して、2007年（平成19年）には4.0倍に増加しており、旧更北村域で最も高い伸びを示しています。

地名の由来は、犀川によって形成された微高地に樹木がよく繁茂していたことに因るとされています。

歴史

前身各村から旧青木島村へ

室町時代後期: 丹波島村の犀川にあった丹波島の渡しは、小市の渡しや市村の渡し（綱島の渡し）の補助的な役割を担っていました。
江戸時代: 青木島村、丹波島村、綱島村、大塚村は松代藩領でした。
1611年（慶長16年）: 北国街道の整備に伴い、犀川の渡し（丹波島の渡し）が主要な渡しとなり、丹波島村に丹波島宿が置かれました。
1807年（文化4年）: 丹波島村と上氷鉋村との境界争いにより、境界の目印として柳が3本植えられ、これが「三本柳」の地名の由来となりました。
1872年（明治5年）: 下氷鉋村、広田村、藤牧村、上小島田村、青木島村の5ヶ村共同で、作新学校（現在の長野市立青木島小学校などの前身）が開校しました。
1873年（明治6年）: 丹波島村と中御所村の間の犀川に、丹波島舟橋会社により有料の舟橋が架けられました（初代丹波島橋）。
1875年（明治8年）: 更級郡青木島村が丹波島村を編入しました。
1889年（明治22年）: 市町村制施行により、青木島村が綱島村と大塚村を編入しました。

旧青木島村から長野市青木島町へ

1945年（昭和20年）: 阿久根台風の影響による大雨で、青木島村綱島の犀川が破堤しました。
1949年（昭和24年）: キティ台風により、青木島村丹波島の犀川が破堤しました。
1951年（昭和26年）: 青木島中学校、下氷鉋中学校、真島中学校を統合し、四ヶ村学校組合立更北中学校（現 長野市立更北中学校）が開校しました。
1955年（昭和30年）: 青木島村が稲里村、小島田村、真島村と合併し、更北村となりました。
1958年（昭和33年）: 更北村営有線放送（現 更北有線放送）が開局しました。
1966年（昭和41年）: 更北村が長野市などと合併し、新長野市が誕生。旧青木島村域は青木島町青木島、青木島町綱島、青木島町大塚となりました。
1969年（昭和44年）: 犀川に国道18号長野大橋が開通しました。
1981年（昭和56年）: 国道18号篠ノ井バイパスが開通しました。
1975年（昭和50年）: 青木島町青木島の一部から青木島一・二丁目が発足しました。
1976年（昭和51年）: 青木島町青木島の一部から丹波島一〜三丁目が発足しました。
1987年（昭和62年）: 青木島町綱島、真島町真島の一部から大橋南一・二丁目が発足しました。
1987年（昭和62年）: 青木島町青木島の一部から青木島三・四丁目が発足しました。
1988年（昭和63年）: 三本柳土地区画整理事業が始まりました。
1993年（平成5年）: 青木島町青木島に長野市立三本柳小学校が開校しました。
1993年（平成5年）: 丹波島一・三丁目、川中島町上氷鉋、稲里町中氷鉋の一部から三本柳東一〜三丁目、三本柳西一〜三丁目が発足しました。
1997年（平成9年）: 国道19号長野南バイパスが開通しました。
2011年（平成23年）: 更北分署が開署しました。

各地区の概要

青木島

丹波島橋の南詰に位置し、一〜四丁目から構成されます。地区内はほぼ宅地化しており、二丁目と四丁目は商業地や工場が多く見られます。

青木島町青木島

青木島地域の中央部に位置し、北部では犀川に裾花川が合流します。地域の中央部には農地も残っています。

青木島町大塚

青木島地域の南東部に位置し、幹線道路沿いには商業地もみられるものの、農地も多く残っています。

青木島町綱島

青木島地域の東部に位置し、国道18号を境に宅地化が進んでいます。自動車関連の店舗や工場が多い地域です。

大橋南

長野大橋の南詰に位置し、運送会社の拠点が多い地域です。

三本柳

青木島地域の西部に位置し、三本柳土地区画整理事業によって整備された住宅地です。

丹波島

丹波島橋の南詰に位置し、旧北国街道の宿場町として栄えた歴史を持ちます。

交通

各地区では、アルピコ交通（川中島バス）や長野市循環型乗合タクシーが利用できます。特に、青木島二丁目の丹波島橋南停留所は、市内南部の各方面からの路線が集まる要衝となっています。

主な施設

各地区には、銀行、学校、商業施設、公共施設などが点在しています。詳細は、上記各地区の解説をご参照ください。

まとめ

青木島町は、歴史的な背景と交通の利便性を兼ね備えた、長野市の中核を担う地域の一つです。今後も住宅地としての発展が期待されます。

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