非挿入性交

非挿入性交とは

非挿入性交は、文字通り挿入を伴わない性行為の総称です。具体的には、膣性交、肛門性交、一般的なオーラルセックスを除いた、フロッタージュ（こすりつけ）、手を使った性行為（マニュアルセックス）、相互マスターベーション、キス、ハグなどが含まれます。ただし、オーラルセックスや指を使った性行為において、限定的な挿入が行われる場合も非挿入性交に分類されることがあります。

非挿入性交を行う理由

非挿入性交を選択する理由は人それぞれです。前戯として楽しむ人もいれば、挿入を伴う性行為よりも好む人もいます。また、以下のような理由で非挿入性交のみを行うカップルも存在します。

異性愛カップル: 陰茎膣挿入の代替として、処女を守るため、または避妊のため。
女性カップル: 処女性を保つため。
男性カップル: 肛門挿入の代替として。

定義と実践

概要

非挿入性交の定義は、性的挿入の有無によって異なります。一般的には挿入を含まない行為を指しますが、オーラルセックスのように、一部に挿入的な要素があっても非挿入性交とみなされることがあります。挿入という言葉を陰茎膣挿入に限定する場合、挿入的アナルセックスも非挿入性交に含まれることがあります。

ヘビーペッティングは、性器への刺激を伴うものの、直接的な挿入行為を含まない前戯の広い範囲を指します。

フロッタージュ

フロッタージュとは、自分の体の一部（性器、尻、胸、腹部、太ももなど）を相手の体に擦り付ける行為です。裸でも着衣でも行われ、性器同士の擦り付けは、カップル間で様々な名称で呼ばれることがあります（例：異性間では素股、女性カップル間では貝合わせ、男性カップル間では兜合わせ）。

フロッタージュは、前戯として、または挿入なしに性的満足を得る方法として行われます。また、処女を守ったり、より安全なセックスを行うためにも選択されます。若年層にとっては、性的な親密さの初期段階としてフロッタージュが用いられることもあります。

手を使った性行為（マニュアルセックス）

手を使った性行為（マニュアルセックス）は、手や指を使って相手の性器を刺激する行為です。手コキ（ペニスを手で刺激）、手マン・指マン（膣、クリトリス、外陰部を手で刺激）、アナル指入れなどが含まれます。手を使った性行為は、前戯として、またはそれ自体が親密な行為として行われ、パートナーのオーガズムを促すこともあります。体液の交換がない場合、安全なセックスとみなされ、性感染症のリスクが大幅に減少します。

相互マスターベーション

相互マスターベーションは、二人以上が同時にマスターベーションをしたり、互いに手を使った性行為を行うことです。挿入を伴う行為が難しい状況や、処女を保ちたい、妊娠を防ぎたいといった理由で行われることがあります。

パートナー同士で性器を撫でてオーガズムに達することに集中する場合や、拡張オーガズムを目指す場合もあります。拡張オーガズムは、通常のオーガズムよりも強烈で広範囲な感覚を伴うと報告されており、全身性のオーガズムや、数分から数時間続くオーガズムなどが含まれます。

全く挿入のない性行為

非挿入性交は、挿入の有無によって分類されることがあります。全く挿入のない性行為には、以下のようなものがあります。

キス：唇同士の接触、特にディープキス。
バグパイプ：相手の脇の下にペニスを挿入する行為。
手コキ：手でペニスを刺激する行為。
乳首刺激：乳首を愛撫する行為。
パイズリ：ペニスを乳房の間に挟んで刺激する行為。
尻コキ：臀部を使ってペニスを刺激する行為。
素股：ペニスを太ももの間に挟んで刺激する行為。
貝合わせ：女性同士が性器を擦り合わせる行為。
兜合わせ：男性同士が性器を擦り合わせる行為。
足コキ：足でペニスを刺激する行為。
性感マッサージ：快楽とリラクゼーションを目的とした身体の摩擦。

限定的な挿入のある性行為

限定的な挿入のある性行為には、以下のようなものがあります。

指マン：指で膣、外陰部、クリトリス、肛門を刺激する行為。
オーラルセックス：口と喉を使って性器を刺激する行為（フェラチオ、クンニリングス、アニリングス）。
バイブレーターを使った刺激：バイブレーターで性器を刺激する行為。
BDSM：ボンデージ、ディシプリン、サディズム、マゾヒズムを含む行為。

健康リスク

非挿入性交は、挿入性交に比べて性感染症のリスクが低いと考えられていますが、完全にリスクがないわけではありません。妊娠や性感染症のリスクはわずかに存在します。

妊娠のリスク

アナルセックスや、ペニスが膣の近くにある状態での性行為（素股など）でも、精子が膣の入り口近くに放出された場合、妊娠の可能性があります。また、精液に触れた指や身体部位が膣に接触することでも、精子が膣口に運ばれ、妊娠する可能性があります。

性感染症のリスク

全く挿入のない性行為でも、以下の性感染症に感染する可能性があります。

HPV：皮膚同士の接触によって感染。
ケジラミ：感染者との密接な接触によって感染。
ヘルペス：キスや、感染した口や性器が相手の口、性器、手と接触することで感染。
尖圭コンジローマ：性器との皮膚接触によって感染。
梅毒：キスや手を使った性行為によって感染することもあるが、膣性交、肛門性交、口腔性交の方が感染しやすい。
トリコモナス症：性具の共有や性液が人から人へ伝染することで感染。
[サイトメガロウイルス]：様々な体の分泌物との接触によって感染。
疥癬：感染者との密接な接触によって感染。
軟性下疳：感染者の皮膚に傷があり、その傷が相手の皮膚と接触することで感染。
伝染性軟属腫：感染者との密接な接触によって感染。

限定的な挿入のある性行為では、体液の交換があるため、リスクはさらに高まります。上記の性感染症に加えて、クラミジア、淋病、B型肝炎なども感染する可能性があります。

リスクを減らすために

妊娠や性感染症のリスクを完全に防ぐ唯一の方法は、すべての性行為を控えることです。しかし、性行為をする場合は、リスクを減らす方法があります。

コンドーム：性感染症の予防に有効。
デンタルダム：オーラルセックス中の性感染症予防に有効。
ラテックス手袋または指サック：手によるセックス中の性感染症予防に有効。
経口避妊薬：非挿入性交による妊娠のわずかなリスクを心配している場合に有効。
* 二重予防法（バリア法と経口避妊薬の両方）：妊娠と性感染症の感染の両方を予防するのに非常に効果的。

非挿入性交は、多様な性的表現の一つであり、リスクを理解し、適切な対策を講じることで、安全に楽しむことができます。

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