高畑町

奈良市高畑町

高畑町は、奈良市の中央部、市街地の東に位置する風情ある地区です。春日山の南西麓に広がり、歴史的な背景と豊かな自然が調和した、魅力的な場所となっています。

地理的特徴

高畑町は、北西から南東にかけて伸びる地形をしており、かつては興福寺の子院があった場所も含まれます。明治時代以降、京都の南禅寺周辺と並び、別荘地として開発が進められました。奈良華族や大阪の財閥である山口家が邸宅を構え、文化人や芸術家との交流拠点となっていました。現在もその名残をとどめる邸宅や庭園が点在し、志賀直哉の旧居は一般公開されています。

地区の北部は、猿沢池の東から春日大社の南にかけて、奈良ホテルをはじめとするホテルや旅館が集まっています。また、地区の中央部には奈良教育大学のキャンパスが置かれています。

高畑町の一部は、世界遺産「古都奈良の文化財」の緩衝地帯、歴史的風土特別保存地区、国史跡「興福寺旧境内」、奈良公園、奈良町都市景観形成地区に含まれており、歴史的・文化的価値が保護されています。

周辺地域との境界は、北は登大路町・春日野町、南は白毫寺町、西は池之町・東寺林町・鶴福院町・不審ヶ辻子町・鵲町・公納堂町・福智院町・紀寺町・東紀寺町・南紀寺町と接しています。

河川と池

地区内には以下の河川と池があります。

能登川: 大和川の支流で、地区の南部を西に流れます。
菩提川: 率川とも呼ばれ、大和川の支流として地区の北部を西に流れます。
荒池: 地区の北西部に位置し、国道169号線によって南北に分断されています。
鷺池: 地区の北西部に位置し、奈良公園の一部を構成しています。池の中央には浮見堂が浮かんでいます。

地名の由来

高畑町という地名は、大和高原から西に緩やかに伸びる、見晴らしの良い台地であることに由来するとされています。

歴史

1889年（明治22年）：町村制施行により、添上郡高畑村が奈良町大字高畑となりました。
1898年（明治31年）：奈良町の市制施行に伴い、奈良市大字高畑となりました。
1903年（明治36年）：奈良市高畑町に改称されました。
1970年（昭和45年）：一部が東紀寺町、南紀寺町となりました。

主要な施設

高畑町には、数多くの観光スポットや教育機関があります。

観光名所:

志賀直哉旧居
奈良ホテル
頭塔
旧大乗院庭園
入江泰吉記念奈良市写真美術館
吉備塚古墳
青田家住宅

教育機関:

奈良教育大学
奈良市立飛鳥中学校
奈良教育大学附属小学校
奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園

公共施設:

奈良第二地方合同庁舎
奈良高畑郵便局

寺社:

新薬師寺
南都鏡神社
春日山不空院
奈良町天神社
瑜伽神社
高圓山閼伽井庵
赤穂神社
比賣神社
隔夜寺

交通

高畑町には鉄道は通っていませんが、バス路線が充実しています。奈良交通の市内循環線やその他の路線が利用でき、各観光スポットへのアクセスも便利です。

バス停:

春日大社表参道
破石町
高畑町
奈良ホテル
高畑社宅前

ゆかりのある人物

岡潔: 数学者。晩年の十数年を高畑町で過ごしました。
志賀直哉: 小説家。1925年から1938年まで高畑町に居住し、旧居は現在公開されています。
辰野勇: モンベル創業者で会長。高畑町在住です。

高畑町は、歴史と文化が色濃く残る、魅力あふれる地区です。奈良を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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