鶴の湯温泉 (秋田県)

秋田の秘湯、鶴の湯温泉

秋田県仙北市、乳頭温泉郷の奥深く、ブナの原生林に囲まれた場所に佇む「鶴の湯温泉」。その名の通り、傷ついた鶴が湯で癒したという伝説が残る、歴史ある温泉地です。

４つの源泉と趣のある建物

鶴の湯温泉には、白湯、黒湯、中の湯、滝の湯という４種類の異なる源泉があります。

白湯: 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素泉（硫化水素型）
黒湯: ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
中の湯: 含重曹・食塩硫化水素泉
滝の湯: 含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素泉

それぞれ泉質が異なり、効能も様々です。湯巡りを楽しむのもおすすめです。

温泉街というよりは一軒宿であり、茅葺屋根の本陣が特徴的です。建物全体が鄙びた雰囲気に統一され、秘湯ならではの趣を感じさせます。

鶴の湯を代表する混浴露天風呂

鶴の湯温泉の代名詞とも言えるのが、白湯が足元から湧き出る混浴露天風呂です。乳頭温泉郷を紹介する写真や、秘湯のイメージとしてもよく用いられています。自然の中で湯浴みを楽しむことができ、心身ともにリラックスできます。

別館「山の宿」

本館から少し離れた場所には、別館「山の宿」があります。こちらは貸切露天風呂を備えており、静かに過ごしたい方におすすめです。山の宿の宿泊者は、本館の温泉も利用可能です。

江戸時代から続く歴史

鶴の湯温泉は、乳頭温泉郷の中でもっとも古い温泉場と言われています。江戸時代にマタギの勘助によって発見され、当初は「田沢の湯」と呼ばれていました。秋田藩主の佐竹義隆も湯治に訪れたことがあり、本陣はその名残です。

1708年（宝永5年）に鶴が傷を癒しているのを見たことから、「鶴の湯」と改名されました。その後、農閑期の湯治場として営業を続け、1967年（昭和42年）に乳頭温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定されました。

1980年代に入ると、秘湯ブームとともに脚光を浴びるようになり、多くの観光客が訪れるようになりました。

アクセス

公共交通機関：秋田新幹線田沢湖駅より羽後交通の路線バス「乳頭温泉」行きで約40分、「鶴の湯温泉入口」下車後、徒歩1.5km。
車：東北自動車道・盛岡ICより国道46号・国道341号を通り、秋田県道127号駒ケ岳線と秋田県道194号西山生保内線で約60分。

周辺情報

鶴の湯温泉の周辺には、黒湯温泉、孫六温泉、一本松温泉、蟹場温泉、大釜温泉、妙乃湯温泉などの温泉があります。温泉巡りもおすすめです。

まとめ

鶴の湯温泉は、豊かな自然に囲まれた秘湯です。４種類の源泉、趣のある建物、そして歴史が織りなす雰囲気は、訪れる人々を魅了し続けています。日々の喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュできる、そんな特別な場所です。

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