1935年の音楽

1935年の音楽

1935年（昭和10年）は、世界的に音楽シーンが大きく動いた年でした。スウィング・ジャズが人気を博し、多様なジャンルで数々の名曲が誕生しました。また、多くの音楽家がこの世を去り、音楽史に新たな足跡を刻んだ年でもあります。

概要

1935年の音楽界は、まさに多様性と変化の時代でした。コール・ポーターが発表した「ビギン・ザ・ビギン」は、今日に至るまで愛されるスタンダードナンバーとなりました。スウィング・ジャズは、その人気を不動のものとし、ダンスホールを熱狂の渦に巻き込みました。

洋楽・出版曲

カーター・ファミリー「永遠の絆」（カントリー）
コール・ポーター「ビギン・ザ・ビギン」：今日でも色褪せない名曲。
ジョージ・ガーシュウィン「サマータイム」：オペラ『ポーギーとベス』からの有名なアリア。
デューク・エリントン「イン・ア・センチメンタル・ムード」：スウィング・ジャズの代表的なナンバー。
トミー・ドーシー「ザ・ミュージック・ゴーズ・ラウンド・アンド・ラウンド」
バート・カルマー、ハリー・ルビー、オスカー・ハマースタインII「夢を描くキッス」
パウル・ヒンデミット「白鳥を焼く男」
フレッド・E・アーラート、ジョー・ヤング「手紙でも書こう」
ポーラ・ネグリ「マヅルカ」

邦楽シングル

ディック・ミネ、星玲子「二人は若い」
ミス・コロムビア「つきのキャンプ」
音丸「船頭可愛いや」
関種子「雨に咲く花」
高田浩吉「大江戸出世小唄」：高田浩吉のデビュー曲。
志村道夫「流線型ジャズ」
児玉好雄「無情の夢」
小野巡「祖国の護り 大山元帥を讃える歌」
松島詩子、東海林太郎「それも思い出」
松島詩子「夕べ仄かに」
淡谷のり子「ドンニャ・マリキータ」
新橋喜代三「明治一代女」
中野忠晴「小さな喫茶店」「ミルク色だよ」「Tiger Rag」
東海林太郎「旅笠道中」「野崎小唄」「むらさき小唄」
楠木繁夫「緑の地平線」

クラシック

伊福部昭「日本狂詩曲」：日本の伝統音楽とオーケストラを融合させた作品。
大澤壽人「ピアノ協奏曲第2番」
早坂文雄「二つの讃歌への前奏曲」
アルマンド・マンサネーロ「アドロ」
イーゴリ・ストラヴィンスキー「2台のピアノのための協奏曲」
イェジィ・ペテルスブルスキ、ゼノン・フリードヴァルト「最後の日曜日」
ウィリアム・ウォルトン「交響曲第1番」

童謡・その他

童謡「うれしいひなまつり」：今日でも親しまれる日本の童謡。
市歌「堺市歌」「大連市歌」
行進曲「大分県行進曲」
国歌「義勇軍進行曲」

デビュー

高田浩吉／大江戸出世小唄

死去

1935年には、音楽界に貢献した多くの人物が亡くなりました。

1月13日 - ハインリヒ・シェンカー、音楽学者（ 1868年）
4月5日 - フランツ・フォン・ヴェチェイ、ヴァイオリニスト・作曲家（ 1893年）
4月19日 - 青木存義、作詞家（1879年）
5月17日 - ポール・デュカス、作曲家（ 1865年）：代表作に交響詩『魔法使いの弟子』。
5月29日 - ヨゼフ・スーク、作曲家（ 1874年）
6月24日 - カルロス・ガルデル、タンゴ歌手・俳優（ 1890年）：タンゴの発展に大きく貢献。
7月17日 - 聶耳、作曲家（ 1912年）：中国の国歌「義勇軍進行曲」を作曲。
12月4日 - ヨハン・ハルヴォルセン、作曲家・指揮者（ 1864年)
12月24日 - アルバン・ベルク、作曲家（ 1885年）：無調音楽の作曲家として知られる。

1935年は、音楽史における重要な転換期であり、多様な音楽の隆盛と、音楽界を支えた人々の別れが交錯した年でした。この年の音楽は、今日においても多くの人々に影響を与え続けています。

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