1965年の航空
1965年は、空と宇宙における人類の活動が、まさに新たな段階へと移行した記念すべき年となりました。多様な航空機が空へと羽ばたき始めた一方、宇宙空間では人類の活動範囲が大きく広がり、衛星通信や惑星探査の礎が築かれました。
この年の初頭、航空機の通信技術に大きな進歩が見られました。1月27日には、静止通信衛星を用いて、パンアメリカン航空のボーイング707型機と地上局との間で実証通信実験が成功。これは、後の航空機における通信インフラの基盤となる画期的な出来事でした。
新しい航空機の開発も活発でした。2月25日には、短距離用の双発ジェット旅客機として商業的な成功を収めることになるアメリカのダグラス DC-9がその姿を初めて空に見せました。続く2月27日には、ソ連の巨大な輸送機、アントノフ An-22が初飛行。この機体は、大型貨物の空輸能力を格段に向上させる可能性を秘めていました。
ヘリコプター分野でも記録が樹立されました。3月7日、ジェームズ・R・ウィルフォード操縦のシコルスキー SH-3Aが、カリフォルニア州サンディエゴからフロリダ州ジャクソンビルまで、無着陸で3,388.7kmを飛行し、ヘリコプターによる長距離飛行の世界記録を塗り替えました。
宇宙開発においては、歴史的な瞬間が訪れました。3月18日、ソ連の宇宙船ボスホート2号が打ち上げられ、搭乗していたアレクセイ・レオーノフ宇宙飛行士が、人類史上初となる宇宙船外部での活動、すなわち宇宙遊泳を成功させました。これは、宇宙空間での船外活動の可能性を開く、極めて重要な一歩でした。
アメリカの宇宙計画、ジェミニ計画も本格化しました。3月23日にはジェミニ3号がヴァージル・グリソムとジョン・ヤングを乗せて打ち上げられました。続く6月3日から7日にはジェミニ4号が飛行し、エドワード・ホワイト宇宙飛行士が、アメリカ人として初の宇宙遊泳を行いました。これにより、米ソ両国が宇宙船外活動の技術を獲得したことになります。
商業通信衛星の時代も幕を開けました。4月6日に打ち上げられたアーリーバード1号は、世界初の商用通信衛星として、大陸間の通信に新たな道を開きました。
日本の航空産業にとっても重要な年でした。4月1日、国産初のターボプロップ旅客機であるYS-11が、日本国内航空で商業運航を開始。日本の航空技術の結晶として注目を集めました。
同じ4月1日には、タスマン・エンパイア・エアウェイズが国有化され、ニュージーランド航空が誕生。航空業界の再編も進みました。
航空機の性能限界への挑戦も続けられました。5月1日、アメリカ空軍のロバート・L・スティーブンスは、ロッキードYF-12に搭乗し、3,331.507km/hという驚異的な速度記録と、24,463mの高高度飛行記録を樹立しました。
新しいコンセプトの機体も登場しました。5月7日には、カナダの垂直離着陸機カナディア CL-84が初飛行。多様な運用形態が可能な航空機の開発が進められました。
この年、他にもいくつかの機体が初飛行しました。6月4日には中国の戦闘機 南昌 Q-5が、6月12日には小型旅客機 ブリテン・ノーマン アイランダーが、8月18日にはソビエトのヘリコプター カモフ Ka-26が、9月7日には攻撃ヘリコプターAH-1 コブラの原型機であるベル 209が、そして9月27日にはアメリカ海軍の攻撃機 LTV A-7 コルセアIIが、それぞれ初めて大空へ舞い上がりました。
宇宙飛行の分野では、滞在時間の記録も更新されました。8月21日から29日にかけて飛行したジェミニ5号は、ゴードン・クーパーとチャールズ・コンラッドを乗せ、8日間の宇宙滞在を達成し、当時の最長記録を樹立しました。
惑星探査も着実に進展しました。11月にはソビエトが金星探査機ベネラ2号、3号などを相次いで打ち上げ、うちベネラ3号は、人類が他の惑星に到達させた最初の人工物となりました。
宇宙開発への参加国も広がりました。11月26日、フランスは国産ロケットのディアマンを使用して、初の人工衛星アステリックスの打ち上げに成功。独自の宇宙開発能力を示しました。
ジェミニ計画の終盤に向けた重要なミッションも実施されました。12月4日から18日にかけて飛行したジェミニ7号は、エドワード・ホワイトとマイケル・コリンズを乗せ、宇宙滞在時間記録の更新を目指しました。これに続く12月15日から16日には、ウォルター・シラーとトーマス・スタッフォードが搭乗したジェミニ6号が飛行し、ジェミニ7号と歴史的なランデブー（宇宙空間での接近飛行）を成功させました。このランデブーは、将来の月面着陸計画など、より高度な宇宙ミッションに不可欠な技術であることを証明しました。
一方で、航空の世界では悲しい出来事もありました。7月8日には、映画「飛べ!フェニックス」の撮影中、高名なスタントパイロットであるポール・マンツが事故により命を落としました。
1965年の航空・宇宙分野での功績を称える賞も贈られました。ハーモン・トロフィーはジム・ラヴェルら、デラボー賞はアレクセイ・レオーノフ、ロバート・L・スティーブンス、ゴードン・クーパーら多くのパイオニアたちが受賞しています。
このように、1965年は新型機の登場、宇宙遊泳の実現、通信衛星の運用開始、記録の更新など、空と宇宙における人類の活動領域を大きく拡大させた、まさに歴史的な一年であったと言えるでしょう。
この年の初頭、航空機の通信技術に大きな進歩が見られました。1月27日には、静止通信衛星を用いて、パンアメリカン航空のボーイング707型機と地上局との間で実証通信実験が成功。これは、後の航空機における通信インフラの基盤となる画期的な出来事でした。
新しい航空機の開発も活発でした。2月25日には、短距離用の双発ジェット旅客機として商業的な成功を収めることになるアメリカのダグラス DC-9がその姿を初めて空に見せました。続く2月27日には、ソ連の巨大な輸送機、アントノフ An-22が初飛行。この機体は、大型貨物の空輸能力を格段に向上させる可能性を秘めていました。
ヘリコプター分野でも記録が樹立されました。3月7日、ジェームズ・R・ウィルフォード操縦のシコルスキー SH-3Aが、カリフォルニア州サンディエゴからフロリダ州ジャクソンビルまで、無着陸で3,388.7kmを飛行し、ヘリコプターによる長距離飛行の世界記録を塗り替えました。
宇宙開発においては、歴史的な瞬間が訪れました。3月18日、ソ連の宇宙船ボスホート2号が打ち上げられ、搭乗していたアレクセイ・レオーノフ宇宙飛行士が、人類史上初となる宇宙船外部での活動、すなわち宇宙遊泳を成功させました。これは、宇宙空間での船外活動の可能性を開く、極めて重要な一歩でした。
アメリカの宇宙計画、ジェミニ計画も本格化しました。3月23日にはジェミニ3号がヴァージル・グリソムとジョン・ヤングを乗せて打ち上げられました。続く6月3日から7日にはジェミニ4号が飛行し、エドワード・ホワイト宇宙飛行士が、アメリカ人として初の宇宙遊泳を行いました。これにより、米ソ両国が宇宙船外活動の技術を獲得したことになります。
商業通信衛星の時代も幕を開けました。4月6日に打ち上げられたアーリーバード1号は、世界初の商用通信衛星として、大陸間の通信に新たな道を開きました。
日本の航空産業にとっても重要な年でした。4月1日、国産初のターボプロップ旅客機であるYS-11が、日本国内航空で商業運航を開始。日本の航空技術の結晶として注目を集めました。
同じ4月1日には、タスマン・エンパイア・エアウェイズが国有化され、ニュージーランド航空が誕生。航空業界の再編も進みました。
航空機の性能限界への挑戦も続けられました。5月1日、アメリカ空軍のロバート・L・スティーブンスは、ロッキードYF-12に搭乗し、3,331.507km/hという驚異的な速度記録と、24,463mの高高度飛行記録を樹立しました。
新しいコンセプトの機体も登場しました。5月7日には、カナダの垂直離着陸機カナディア CL-84が初飛行。多様な運用形態が可能な航空機の開発が進められました。
この年、他にもいくつかの機体が初飛行しました。6月4日には中国の戦闘機 南昌 Q-5が、6月12日には小型旅客機 ブリテン・ノーマン アイランダーが、8月18日にはソビエトのヘリコプター カモフ Ka-26が、9月7日には攻撃ヘリコプターAH-1 コブラの原型機であるベル 209が、そして9月27日にはアメリカ海軍の攻撃機 LTV A-7 コルセアIIが、それぞれ初めて大空へ舞い上がりました。
宇宙飛行の分野では、滞在時間の記録も更新されました。8月21日から29日にかけて飛行したジェミニ5号は、ゴードン・クーパーとチャールズ・コンラッドを乗せ、8日間の宇宙滞在を達成し、当時の最長記録を樹立しました。
惑星探査も着実に進展しました。11月にはソビエトが金星探査機ベネラ2号、3号などを相次いで打ち上げ、うちベネラ3号は、人類が他の惑星に到達させた最初の人工物となりました。
宇宙開発への参加国も広がりました。11月26日、フランスは国産ロケットのディアマンを使用して、初の人工衛星アステリックスの打ち上げに成功。独自の宇宙開発能力を示しました。
ジェミニ計画の終盤に向けた重要なミッションも実施されました。12月4日から18日にかけて飛行したジェミニ7号は、エドワード・ホワイトとマイケル・コリンズを乗せ、宇宙滞在時間記録の更新を目指しました。これに続く12月15日から16日には、ウォルター・シラーとトーマス・スタッフォードが搭乗したジェミニ6号が飛行し、ジェミニ7号と歴史的なランデブー（宇宙空間での接近飛行）を成功させました。このランデブーは、将来の月面着陸計画など、より高度な宇宙ミッションに不可欠な技術であることを証明しました。
一方で、航空の世界では悲しい出来事もありました。7月8日には、映画「飛べ!フェニックス」の撮影中、高名なスタントパイロットであるポール・マンツが事故により命を落としました。
1965年の航空・宇宙分野での功績を称える賞も贈られました。ハーモン・トロフィーはジム・ラヴェルら、デラボー賞はアレクセイ・レオーノフ、ロバート・L・スティーブンス、ゴードン・クーパーら多くのパイオニアたちが受賞しています。
このように、1965年は新型機の登場、宇宙遊泳の実現、通信衛星の運用開始、記録の更新など、空と宇宙における人類の活動領域を大きく拡大させた、まさに歴史的な一年であったと言えるでしょう。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。