1973-1974シーズンのNBA

1973-1974 NBAシーズン

1973-1974シーズンは、NBAにとって28回目のシーズンでした。このシーズンは、ボストン・セルティックスの復権、新たなスターの誕生、そして数々の名選手の引退が重なった、記憶に残るシーズンとなりました。

シーズンオフの出来事

ドラフトでは、フィラデルフィア・76ersが全体1位でダグ・コリンズを指名。他にも、カーミット・ワシントン、ジョージ・マクギニス、ラリー・ケノンといった選手たちがNBA入りを果たしました。後にヘッドコーチとなるジョージ・カールやジム・オブライエンもこの年のドラフトで指名されています。

ボルチモア・ブレッツは、本拠地をボルチモアからワシントンD.C.に移転し、キャピタル・ブレッツ（後のワシントン・ウィザーズ）とチーム名を変更しました。

テレビ中継は、長年NBAを放送してきたABCからCBSに移行。これにより、各チームへの分配金が大幅に増加し、財政面でも大きな変化がありました。

シーズンのハイライト

オールスターゲームはシアトルで開催され、ウェストが134-123でイーストを破りました。MVPには、キャピタル・ブレッツのボブ・レイニアが選ばれました。

このシーズンから、スティール数とブロックショット数が公式に記録されるようになりました。

個人タイトルでは、ミルウォーキー・バックスのカリーム・アブドゥル＝ジャバーがシーズンMVPを獲得。バッファロー・ブレーブスのアーニー・ディグレゴリオが新人王に輝きました。最優秀コーチ賞には、デトロイト・ピストンズのレイ・スコットが選ばれました。

激戦のミッドウエスト・ディビジョン

リーグ屈指の激戦区であったミッドウエスト・ディビジョンでは、このシーズンも3チームが50勝以上を達成。ジェリー・スローンとノーム・ヴァン・ライアーを擁するシカゴ・ブルズはリーグ有数のディフェンス力を誇りましたが、カリーム・アブドゥル＝ジャバー率いるミルウォーキー・バックスに及ばず、ディビジョン優勝を逃しました。また、デトロイト・ピストンズは、デイブ・ビンとボブ・レイニアらの活躍で、チーム史上初の50勝以上を達成しました。

ブレーブスの躍進

バッファロー・ブレーブスは、前シーズンのボブ・マカドゥーに続き、アーニー・ディグレゴリオが新人王を獲得。ディグレゴリオは、新人ながらアシスト王とフリースロー成功率1位の二冠を達成しました。さらに、ロサンゼルス・レイカーズからジム・マクミリアンを獲得し、チーム創設4年目にして初の勝率5割以上を達成、プレーオフにも初出場を果たしました。

ファイナル：セルティックス vs バックス

ファイナルは、ボストン・セルティックスとミルウォーキー・バックスの対戦となりました。

セルティックスは、ジョン・ハブリチェック、デイブ・コーウェンス、ジョジョ・ホワイトを中心に、ニックスを破り、5年ぶりにファイナルに進出しました。

一方、バックスは、カリーム・アブドゥル＝ジャバーの活躍でプレーオフを勝ち上がり、3年ぶり2度目の優勝を目指しました。

セルティックスは、バックスのルーシャス・アレン不在のバックコート陣を徹底的に攻め、第1戦を勝利。しかし、バックスもカリーム・アブドゥル＝ジャバーらの活躍で第2戦を制し、その後も両チーム一歩も譲らず、激戦が繰り広げられました。

最終的に、セルティックスが第7戦を制し、5年ぶり12回目の優勝を果たしました。ファイナルMVPには、ジョン・ハブリチェックが選ばれました。

時代の終焉

このシーズンは、ディック・バーネット、ジェリー・ウェスト、オスカー・ロバートソン、デイブ・ディバッシャー、ジェリー・ルーカス、ウィリス・リードといった、1960年代から1970年代前半にかけてNBAを彩った多くのスター選手が引退したシーズンでもありました。彼らの引退は、NBAの人気停滞の一因とも言われています。

特に、ジェリー・ウェストの引退は、ロサンゼルス・レイカーズにとって大きな痛手であり、彼の背番号「44」は永久欠番となりました。

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