1980年代の日本

1980年代の日本：バブル経済と社会現象の時代

1980年代は、日本の元号で昭和55年から昭和64年、そして平成元年を含む時代です。世界的な動きが加速する中で、日本経済はバブル経済によって絶頂期を迎えました。この時代は、社会、文化、政治、経済など、様々な分野で大きな変化が見られました。

出来事

1980年代には、様々な出来事が日本を揺るがしました。

1980年

広島市が政令指定都市に移行し、大塚製薬から「ポカリスエット」が発売されました。
プロ野球では、張本勲が史上初の3000本安打を達成し、長嶋茂雄が読売巨人軍監督を辞任、王貞治が現役を引退しました。
社会現象としては、ルービックキューブが日本で発売され、大ブームを巻き起こしました。

1981年

寺尾聰の「ルビーの指環」が発売され、大ヒットしました。
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が来日し、中国残留孤児が初めて来日しました。
フジテレビのお笑いバラエティ番組「オレたちひょうきん族」が放送開始され、人気を博しました。
大相撲では、千代の富士貢が横綱に昇進しました。

1982年

ホテルニュージャパン火災や日本航空350便墜落事故が発生しました。
東北新幹線が開業し、女性デュオあみんの「待つわ」が発売されました。
ソニーが最初のコンパクトディスクプレーヤーとCDソフトを発売し、NECがパーソナルコンピュータPC-9801を発売しました。

1983年

東京ディズニーランドが開園し、任天堂から家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」（ファミコン）が発売されました。
NHK朝の連続テレビ小説「おしん」が最高視聴率62.9%を記録し、連続ドラマ視聴率の日本記録を更新しました。

1984年

日経平均株価が終値で初めて1万円を突破し、アニメ映画『風の谷のナウシカ』が劇場公開されました。
新紙幣が発行され、1万円札は福澤諭吉、5千円札は新渡戸稲造、千円札は夏目漱石となりました。
ロサンゼルスオリンピックが開催され、柔道の山下泰裕が金メダルを獲得しました。

1985年

日本電信電話公社（電電公社）が日本電信電話株式会社 (NTT) に、日本専売公社が日本たばこ産業株式会社 (JT) に民営化されました。
男女雇用機会均等法が成立し、日本航空123便墜落事故が発生しました。
G5がプラザ合意声明を発表し、日本ではその後のバブル景気の原因の一つとなりました。
プロ野球の阪神タイガースが日本シリーズで西武ライオンズを破り、球団設立51年目にして初の日本一に輝きました。

1986年

男女雇用機会均等法が施行され、ファミリーコンピュータ用ソフト「ドラゴンクエスト」が発売されました。
社会党の土井たか子が主要政党で日本初の女性党首となり、テレビ朝日の音楽番組「ミュージックステーション」が放送開始されました。
伊豆大島三原山が大噴火し、全島民が避難しました。

1987年

国鉄が分割・民営化され、JRグループが発足し、プロ野球選手の衣笠祥雄が連続出場記録を樹立しました。
土地や証券の投機が経済全体に波及し、バブル経済が始まりました。
フジテレビが地上波テレビ局としては初の24時間放送を開始しました。

1988年

青函トンネルが開通し、東京ドームが完成しました。
リクルート事件が発覚し、ダイエーがプロ野球球団・南海ホークスを買収しました。
日本テレビ系列のアニメ番組「それいけ!アンパンマン」が放送開始されました。

1989年

昭和天皇が崩御し、昭和から平成へ改元されました。
消費税がスタートし、任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」が発売されました。
リクルート事件で竹下内閣が総辞職し、宇野内閣が発足し、美空ひばりが死去しました。
日経平均株価が史上最高値を記録しました。

社会

1980年代は、校内暴力やいじめが深刻化し、山口組の組長後継者争いによる分裂抗争事件が起こりました。また、少子化が深刻化し始め、国鉄の赤字ローカル線の廃止が進められました。大手のスーパーマーケットやショッピングセンターが普及し、全国各地の商店街にシャッター通りが見られるようになりました。

経済

ビジネス向けのパソコンが出現し、オフィスや家庭にワープロが普及し、オフィスのOA化が進みました。全国にコンビニエンスストアが普及し、円高が進行し、後半には超低金利政策によるバブル景気が発生しました。

災害

1980年代には、五六豪雪、長崎大水害、日本海中部地震、三宅島噴火、長野県西部地震、伊豆大島噴火などの災害が発生しました。

文化と芸術

女子大生ブームや「新人類」という言葉が流行し、女子中高生の間で少女小説が人気になりました。また、女性漫画家が少年誌・青年誌や成人向け漫画に作品を執筆することが一般化しました。

流行

前半にはなめ猫等の不良ブームやロリコンブームが起こり、アングラ演劇と呼ばれた小劇団が市民権を得て小劇場ブームが起こりました。後半にはアダルトビデオが登場し、ポルノ映画が衰退しました。東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件以来、おたくが注目を集めるようになりました。

ファッション

オリーブ少女というファッションスタイルが流行し、女性の間でアイドルを意識・模倣したファッションや聖子ちゃんカット・ロングスカートが流行しました。

その他

漫画・アニメーション・子供文化では、藤子不二雄が大旋風を巻き起こし、「ドラえもん」を筆頭に様々なアニメが放映されました。任天堂の「ファミリーコンピュータ」（ファミコン）が大ブームとなり、テレビゲームが普及しました。テレビ・芸能界では、松田聖子、BIG3（タモリ・ビートたけし・明石家さんま）など新たなスターが登場し、フジテレビが黄金時代を迎えました。プロ野球は西武ライオンズが黄金時代を築き、大相撲は千代の富士時代でした。

1980年代は、バブル経済の恩恵を受ける一方で、様々な社会問題や災害に見舞われた時代でした。しかし、文化や芸術、技術の発展も著しく、その後の日本社会に大きな影響を与えました。

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