1990年の相撲

1990年の相撲界を振り返る

1990年は、大相撲において数々の記録が生まれた激動の年でした。横綱千代の富士が史上初の通算1000勝を達成し、その偉業を称えられました。また、旭富士が横綱に昇進し、4横綱時代が到来するなど、相撲界は大きな変革期を迎えます。

アマチュア相撲の動向

アマチュア相撲界では、全国都道府県中学生相撲選手権大会が初めて開催され、後の十両力士となる魁道こと田中康弘が、全国中学校相撲選手権大会と合わせて史上初の中学二冠を達成しました。また、8月には富山県高岡市で中年男性による相撲大会「伏木場所大相撲」が初開催され、地域相撲の盛り上がりを見せました。この大会は後にドラマ化もされています。

大相撲の動向

1月:

千代の富士が「一代年寄」を辞退したため、特別表彰が行われ、平山郁夫画の「富士山」が贈呈されました。
元横綱栃錦の春日野親方が逝去されました。
元関脇闘竜が引退し、年寄二十山を襲名しました。
千代の富士がプロスポーツ大賞を2年連続で受賞しました。
故春日野相談役に勲二等瑞宝章が贈られました。
役員改選が行われ、二子山理事長が2期目を務めることになりました。

2月:

前頭10枚目の龍興山が22歳の若さで亡くなりました。

3月:

元小結前乃森が引退し、年寄山響を襲名しました。
千代の富士が史上初の通算1000勝を達成しました。
霧島の大関昇進が決定しました。

5月:

ザーイド・アラブ首長国連邦大統領が観戦に訪れました。
千代の富士が園遊会に出席しました。

6月:

ブラジルで海外公演が行われました。

7月:

元関脇益荒雄が引退し、年寄錣山を襲名しました。
旭富士の横綱昇進が決定し、4横綱時代となりました。

9月:

大関北天佑が引退し、年寄二十山を襲名しました。
元前頭筆頭富士乃真が引退し、年寄錦戸を襲名しました。
元小結大徹が引退し、年寄湊川を襲名しました。
元前頭13枚目大乃花が引退し、年寄佐ノ山を襲名しました。

11月:

27代木村庄之助の停年に伴い、25代式守伊之助が28代木村庄之助に昇格しました。また、木村庄二郎が26代式守伊之助に昇格しました。
元関脇高望山が引退し、年寄高島を襲名しました。
この年は初めて90日間全てで満員御礼となりました。

本場所の結果

一月場所:
幕内最高優勝: 千代の富士貢 (14勝1敗, 30回目)
十両優勝: 益荒雄宏夫 (12勝3敗)
三月場所:
幕内最高優勝: 北勝海信芳 (13勝2敗, 6回目)
十両優勝: 益荒雄広生 (10勝5敗)
五月場所:
幕内最高優勝: 旭富士正也 (14勝1敗, 2回目)
十両優勝: 大翔山直樹 (12勝3敗)
七月場所:
幕内最高優勝: 旭富士正也 (14勝1敗, 3回目)
十両優勝: 若花田勝 (12勝3敗)
九月場所:
幕内最高優勝: 北勝海信芳 (14勝1敗, 7回目)
十両優勝: 小城ノ花昭和 (11勝4敗)
十一月場所:
幕内最高優勝: 千代の富士貢 (13勝2敗, 31回目)
十両優勝: 大輝煌正人 (11勝4敗)
年間最優秀力士賞: 旭富士正也 (70勝20敗)

1990年生まれの力士

1990年には、後に活躍する多くの力士が誕生しました。

1月10日 - 石浦鹿介
2月26日 - 貴ノ岩義司
2月28日 - 髙安晃
3月1日 - 海龍元生
3月10日 - 慶天海孔晴
7月10日 - 千代の国憲輝
7月12日 - 千代栄栄太
8月25日 - 錦木徹也
10月19日 - 遠藤聖大
11月1日 - 舛ノ山大晴
11月6日 - 天空海翔馬
11月10日 - 竜電剛至

1990年に亡くなった力士

1月10日 - 栃錦清隆（第44代横綱）
2月2日 - 龍興山一人（前頭5枚目）
3月20日 - 若瀬川栄蔵（前頭筆頭）
4月2日 - 赤城山晃（十両10枚目）
5月15日 - 神風正一（関脇）
5月30日 - 九州山義雄（小結）
11月24日 - 小野錦喜三郎（前頭16枚目）

まとめ

1990年は、千代の富士の偉業達成、旭富士の横綱昇進、そして多くの力士の引退や昇進など、相撲界にとって非常に大きな出来事が多かった年でした。この年の出来事は、相撲の歴史においても重要な転換期の一つとして記憶されるでしょう。

もう一度検索