AN/SPS-40

AN/SPS-40 レーダーシステム

AN/SPS-40は、ウェスティングハウス・エレクトリック社が設計し、特にアメリカ海軍における対空捜索用途で広く使用されている2次元レーダーシステムです。このレーダーは、先行して開発されたAN/SPS-31の派生型であり、E-2早期警戒機の艦載型とも言える高性能を誇ります。安定した捜索能力により、敵航空機やミサイルの早期発見を可能とし、艦艇の防空能力を大きく向上させています。

技術的背景

AN/SPS-40は、米海軍の艦艇に求められる対空捜索に特化した設計であり、多様な航空機やミサイルに対する警戒を目的としています。このレーダーは、実績ある技術を基に構築されており、長距離での探知が可能で、複数の目標を同時に追尾する能力を持っています。また、複雑な海上環境下でも高い精度を維持するための耐障害性にも優れています。

搭載艦艇

AN/SPS-40は、主にアメリカ海軍の様々な艦艇に装備されており、その種類は多岐にわたります。以下は代表的な搭載艦の例です。

• - ミサイル駆逐艦/ミサイル巡洋艦

- リーヒ級ミサイル巡洋艦
- 原子力ミサイル巡洋艦「ベインブリッジ」
- ベルナップ級ミサイル巡洋艦
- 原子力ミサイル巡洋艦「トラクスタン」
- カリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦
- バージニア級原子力ミサイル巡洋艦

• - 駆逐艦/ミサイル駆逐艦

- アレン・M・サムナー級駆逐艦
- ギアリング級駆逐艦
- フォレスト・シャーマン級駆逐艦
- チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦（後期建造艦）
- リュッチェンス級駆逐艦
- パース級駆逐艦
- スプルーアンス級駆逐艦

• - 護衛艦/フリゲート

- ブロンシュタイン級フリゲート
- ガーシア級フリゲート
- ノックス級フリゲート

• - 強襲揚陸艦

- イオー・ジマ級強襲揚陸艦
- タラワ級強襲揚陸艦

他国の搭載例

また、AN/SPS-40はアメリカ海軍以外にも、いくつかの外国軍艦にも搭載されています。例えば、サウジアラビアのバドル級コルベットや、スペインのロヘル・デ・ラウリア級駆逐艦にも用いられています。

後継システム

AN/SPS-40の後継機種としてAN/SPS-49が開発され、運用が始まっています。一部のAN/SPS-40を搭載した艦艇は、近代化改修によりこの新しいレーダーシステムに更新されています。

技術的知見

日本でもAN/SPS-40を基に独自のレーダーシステムであるOPS-11が開発されましたが、これは当初の計画よりも日本の技術が主体となったもので、多くの部分が独自に改良されています。

まとめ

AN/SPS-40は、対空捜索用のレーダーシステムとして、歴史的に重要な役割を果たしてきました。その高い技術能力と多様な運用実績により、今後も各国海軍における防空体制の一翼を担うことが期待されています。

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