MUSIC-HDD

MUSIC-HDD W41Tは、2006年2月にKDDIおよび沖縄セルラー電話から発売されたauブランドの携帯電話です。東芝によって開発され、当時の携帯電話としては珍しいハードディスクドライブ（HDD）を内蔵している点が最大の特徴でした。

主要な特徴

この端末は、W31TやW32Tをベースに再設計され、国内初のHDD内蔵携帯電話として登場しました。内蔵されたHDDは東芝製の0.85インチ、容量4GBのMK4001MTDというモデルで、5円硬貨ほどのサイズです。このHDDを搭載したことで、本体は当時としては大きめで重量もありましたが、同時期に発売されたワンセグ対応端末W41Hよりもわずかに小さく軽量でした。2016年8月現在、日本国内で生産された携帯電話端末としては、唯一のHDD搭載機種となっています。

音楽機能にも力が入れられており、au LISTEN MOBILE SERVICEに対応しています。Bluetoothも搭載しており、対応ヘッドホンを使えばワイヤレスで音楽を楽しむことができました。しかし、SCMS-Tには非対応でした。これは、後発のW44T以降の機種や、KCP+・KCP3.x対応機種の一部とは異なる点です。

沿革

2006年1月19日、KDDIと東芝より公式発表が行われました。発売は同年2月9日に四国地方から始まり、翌10日には関東・九州・沖縄地方、11日には北海道・東北・中部・北陸・関西・中国地方と順次拡大されました。その後、3月上旬にビートブラックカラーが遅れて発売され、同年7月に販売を終了しました。

しかし、2012年7月22日に旧800MHz帯（CDMA Bandclass 3）の音声通話・データ通信サービスが終了したため、この端末は現在では利用することができません。

対応サービス

この端末は、LISMO Music（ビデオクリップ非対応）、EZ「着うたフル」、EZ「着うた」、EZナビウォーク、EZチャンネル、EZ・FM、EZブックなどのサービスに対応していました。また、バーコードリーダー&メーカー（QRコード対応）、ムービーメール(S/M/L)、EZムービー(S/M/L/LL/QVGA)といった機能も搭載されていました。

その他

W41Sや他の2006年春モデルのCDMA 1X WIN端末は外部メモリにminiSDメモリーカードを採用していましたが、MUSIC-HDD W41Tは外部メモリに対応していません。また、2006年発売のCDMA 1X WIN端末の中で、この端末のみ赤外線通信機能を搭載していません。本体と外部ストレージの合計容量が3GBを超えるau端末としては、2008年にW65Kが発売されるまで、唯一の機種でした。

関連機種

MUSIC-HDD W41Tの後継機種としては、W44Tシリーズが挙げられます。W44TはHDDではなくフラッシュメモリを採用していますが、音楽機能に重点を置いた機種として位置づけられます。その他にも、W51SA、ウォークマンケータイ W52S、W65K、Walkman Phone, Xmini（W65S）、biblio（TSY01）、Windows Phone IS12T（TSI12）などが、ストレージ容量や音楽機能に特徴を持つ端末として挙げられます。

イメージキャラクター

本端末のイメージキャラクターには、当時人気を博していたアーティストの大塚愛が起用されていました。

この端末は、携帯電話の進化における重要な一歩を示すものであり、特に音楽を携帯端末で楽しむという文化を広げる上で大きな役割を果たしました。

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