W61K

W61K：シンプルさと上質さを兼ね備えたau携帯電話

W61Kは、京セラが開発し、KDDIおよび沖縄セルラー電話がauブランドで展開した携帯電話です。ベストセラーとなった「W44K/K II」をベースに再設計され、コンパクトサイズと日常での使いやすさを重視した、主に女性ユーザーをターゲットとしたモデルです。ただし、バーニッシュブラックモデルは、一部の男性ユーザーも視野に入れています。

デザインと機能

今日の携帯電話が高機能化・高性能化する中で、W61Kはあえて通話、カメラ、メール、「LISMOビデオクリップ」を含むEZ「着うたフル」、「EZ FeliCa」といった基本機能に絞り込んでいます。既存の1xEV-DO Rev.0対応機種でありながら、音楽再生機能とEZ FeliCaを除けば、必要十分な機能に集約した1X WIN（後のau 3G）対応機種として、折りたたみ式端末の原点に立ち返ったとも言えるでしょう。京セラがau向けに提供するFeliCaポート機能搭載端末としては、「MEDIA SKIN（W52K）」以来、約1年ぶりの採用となりました。

auの2008年春モデルの中で唯一「フレンドリーデザイン」が採用され、デザインコンセプトはかつての同社端末「W31K/K II」や「W42K」を意識しています。しかし、カジュアルで親しみやすいデザインだった上記の2機種に対し、W61Kでは上質感を演出したデザインとなっています。また、デザインの一部は同社のウィルコム向けPHS端末「WX330K」に類似しています。

ユニークな機能

W61Kには、着信しているように見せかける「フェイク着信機能」が搭載されています。この機能は、2008年春モデルの「W61SH」に続いて採用されたもので、W61SHとは異なり、音声ガイダンス（質問文）にも対応しており、使い方によっては夜道などで誰かと会話しているように装うことも可能です。

メイン画面とサブ画面のサイズは「W53K」や「W64K」と共通であり、「簡単ケータイ」シリーズでおなじみのワンタッチダイヤルも利用可能です。さらに、付属の充電用台（卓上ホルダ）に装着したまま、手に持った状態で通話やメール作成が自然に行えるという、今日の携帯電話では珍しい設計となっています。

発売日と沿革

W61Kは、2008年1月28日にKDDIおよび京セラから公式発表されました。発売は、同年2月7日に北陸地区で開始され、2月9日には北海道・東北・中部・関西・中国・四国・九州・沖縄地区で、2月13日には関東地区で発売されました。2008年5月には法人アプリプリセットモデルを除き販売が終了し、同年12月には法人アプリプリセットモデルも販売終了となりました。2012年7月22日には、旧800MHz帯エリアでの音声・通信サービスが停波したため、以降は新800MHz帯エリアおよび2GHz帯エリアで利用されることとなりました。

対応サービス

W61Kは、以下のサービスに対応しています。

au Smart Sports
au LISTEN MOBILE SERVICE（ビデオクリップ対応）
EZナビウォーク（声de入力・3D対応）
EZ助手席ナビ
安心ナビ
災害時ナビ
緊急通報位置通知
EZ FeliCa
モバイルSuicaアプリ（ダウンロードにて対応）
EZチャンネルプラス
EZケータイアレンジ
PCサイトビューアー
EZアプリ (BREW)（オープンアプリプレイヤー対応）
デコレーションメール
絵しゃべりメール
ラッピングメール
Touch Message
赤外線通信

関連機種と人物

W61Kに関連する機種として、以下が挙げられます。

W31K/K II
W42K
W44K/K II
W62K（W61Kの機能簡略化モデル）
* W65K（W61Kに防水機能とワンセグを追加）

また、W61Kのイメージキャラクターには井川遥が起用され、CMソングにはAYUSE KOZUEの楽曲「ONE」が使用されました。

まとめ

W61Kは、京セラの技術力とデザイン性が融合した、シンプルながらも使いやすく、上質な携帯電話です。基本機能に特化しつつ、ユニークな機能も搭載しているため、多くのユーザーに愛されました。

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