新居浜駅

新居浜駅：愛媛県東予地方の交通と商業の要衝

新居浜駅は、愛媛県新居浜市に位置する四国旅客鉄道（JR四国）と日本貨物鉄道（JR貨物）予讃線の駅です。駅番号はY29、愛称は「太鼓台と別子銅山の駅」と、地域色豊かな特徴を持っています。東予地方の無人駅の管理駅も担っており、JR四国県内利用者数で3位、四国地区の貨物取扱量では2位と、地域経済を支える重要な役割を担っています。近年は利用者数が増加傾向にあり、活気を取り戻しつつあります。

駅の歴史：塩田と鉱山都市の連携

新居浜市は臨海部と山麓部の二極化が特徴的な都市構造です。そのため、新居浜駅は市街地の中間に位置し、駅周辺の開発は比較的遅れていました。駅開業当初は大正時代で、路線敷設案は現在の市街地の上部を検討していましたが、当時の塩田で栄えていた多喜浜地区へのアクセスを考慮し、現在の位置に決定されました。

もう一つの立地要因は、既に存在していた住友別子鉱山鉄道の存在です。鉱山鉄道は銅鉱石や鉱山労働者の輸送を担っており、国鉄予讃線の開業以前から機能していました。このため、国鉄の駅設置においては、現在の位置に駅を置くことが優先されませんでした。

住友別子鉱山鉄道の廃止後、駅周辺は市の玄関口としての重要性が高まり、都市機能の充実が進められています。

駅の年表：変遷と発展

1921年（大正10年）6月21日: 予讃本線伊予土居駅～伊予西条駅間開通と同時に新居浜駅が開設。
1942年（昭和17年）1[[1月12日]]: 住友別子鉱山鉄道国鉄新居浜駅連絡線開通。
1950年（昭和25年）3月17日: 昭和天皇のお召し列車が新居浜駅を通過。
1967年（昭和42年）1月31日: 鉱山鉄道連絡線廃止。
1979年（昭和54年）: 駅舎改築。
1986年（昭和61年）1[[1月1日]]: 荷物取扱廃止（新聞紙以外）。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化によりJR四国・JR貨物の駅となる。
1989年（平成元年）9月21日: 駅構内にウィリーウィンキー開店。
2007年（平成19年）: LED式列車案内標設置。
2011年（平成23年）5月24日: 駅前広場完成、雨よけ屋根設置。
2012年（平成24年）: タッチパネル式自動券売機更新、指定席券売機供用開始。
2013年（平成25年）: みどりの窓口移転、有料駐輪場と駅駐車場稼働開始。
2014年（平成26年）: 駅駐車場有料化、南北連絡橋、公衆トイレ、新居浜駅南駐車場竣工。
2015年（平成27年）1[[1月27日]]: キヨスク改装、セブン-イレブンKIOSK新居浜駅店となる。
2017年（平成29年）9月: バリアフリー工事実施、エレベーター設置、LED式発車標増設、自動放送導入。
2018年（平成30年）4月27日: 接近メロディー変更。
2020年（令和2年）8月末: ウィリーウィンキー閉店。
2022年（令和4年）12月28日: 「新居浜駅ワーププラザ」営業終了。

駅構造：機能的な設備とバリアフリーへの配慮

新居浜駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。駅舎は1番線に隣接し、有人改札、みどりの窓口、セブン-イレブンKIOSKがあります。ホーム間は跨線橋で連絡しており、2017年からはエレベーターも設置され、バリアフリー化が進められています。

駅舎内には、かつて喫茶店やベーカリーなどもありましたが、現在は観光物産案内拠点「ここくる にいはま」が営業しています。発車案内表示はLED式に変更され、自動放送も導入されています。入線メロディーは新居浜太鼓祭りの楽曲「ちょおうさじゃ」を使用しています。

貨物駅：四国第2位の取扱量

JR貨物の施設は駅本線の南側に位置し、コンテナホーム、荷役線、荷捌き場などを備えています。12ftコンテナ、20ft/30ft大型コンテナ、20ft ISO規格海上コンテナなどを扱い、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可も取得しています。高松貨物ターミナル駅との間で、1日2往復の高速貨物列車が運行されています。

利用状況：増加傾向と課題

2020年度の1日平均乗車人員は約1,370人です。近年は利用者数が増加傾向にありますが、これは通勤通学の定期利用客の増加が、長距離利用客の減少を補っているためです。定期利用客増加の要因として、駅周辺への事業所集積の進展や、バス路線の縮小などが挙げられます。一方、定期外利用客減少の要因としては、高速バスとの競合が考えられます。

貨物取扱量は、2011年度の年間コンテナ発送量が約106,578トン、到着量が約35,011トンで、四国では高松貨物ターミナル駅に次いで2位です。

駅周辺：再開発と新たな街づくり

新居浜駅周辺は、長年の懸案であった再開発事業が、1998年に開始され、2011年に土地区画整理事業が完了しました。商業施設、マンション、事業所などが進出し、新たな街づくりが進んでいます。駅舎も外観を改修し、イメージを一新しています。しかし、駅や鉄道施設の高架化については、今後の課題となっています。

バス路線：充実したアクセス

新居浜駅は、瀬戸内運輸のバス路線の拠点でもあります。阪神方面への高速バスや、市内各地への路線バスが発着しています。市内最大の商業施設であるイオンモール新居浜へのアクセスも良好です。また、デマンドタクシー「おでかけタクシー」も利用可能です。

隣の駅

多喜浜駅
中萩駅

新居浜駅は、地域住民の生活、経済活動、観光において重要な役割を担う駅であり、今後も発展が期待されます。

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