高幹

高幹の生涯と業績

高 幹（こう かん、? - 206年）は、中国後漢末期に活躍した武将であり政治家として知られています。彼は字を元才といい、兗州の陳留郡圉県に生まれました。家系は武勇に秀でており、高祖父の高固、曾祖父の高慎、祖父の高賜、父の高躬と代々名門としての地位を持っていました。また、彼の従弟や従子には著名な武将・高柔がいます。彼の伯父である袁紹もまた有名な武将でした。

初期の活躍

高幹は、初平2年（191年）に袁紹からの指令で冀州牧・韓馥の下に使者として派遣され、冀州を袁紹に譲らせるという重要な役割を果たします。これにより彼は袁紹からの信任を得て、建安4年頃には并州刺史に任命され、一州の統治を託される破格な待遇を受けました。

河東への進攻

建安7年（202年）、袁紹が死去し、その後、曹操が袁譚と袁尚に対抗するための攻撃を開始します。高幹は袁尚の命令を受けて河東へ進軍し、郭援と共に、関中の馬騰や韓遂と密かに連携し、匈奴の呼廚泉とも合流します。こうして彼は数万の軍勢を形成することに成功します。しかし、曹操の策略により、馬騰が曹操側に引き戻され、彼の軍は油断から敗北を喫します。この結果、建安9年（204年）8月に高幹は呼廚泉と共に並州を挙げて曹操に降伏しました。

反逆と敗北

しかし、建安10年（205年）8月、高幹は曹操が幽州の烏桓を討伐している隙を突いて反乱を起こしました。彼は上党太守を捕らえ、壷関を封鎖します。また、袁尚の使者をも拒否し、独立した行動を取ります。その後、高幹は河東郡や弘農郡の支配をめぐって大規模な作戦を展開しますが、曹操の監視により敗北を喫し、壷関に籠城せざるを得なくなりました。

曹操は自身で大軍を率いて高幹を攻撃し、彼は呼廚泉に援軍を求めるも、支援は得られませんでした。結局、壷関が陥落すると、高幹は逃走を企てますが、その途中で捕らえられ、最終的には曹操に対して首を献上されることとなります。

高幹の人物像

高幹は、その人物像について『三国志』や後漢書において高く評価されています。彼は袁紹の血を引いてはいましたが、単なる縁故からではなく、その実力と野心により登りつめた人物と考えられています。また、彼は多くの士を招いて帰属させたことから、志を持つ武将であったとも言えます。しかし、仲長統は高幹に自信過剰な面を指摘し、彼の人物としての限界を冷静に見抜いていたようです。

小説『三国志演義』における高幹

なお、小説版の『三国志演義』における高幹は、正史での彼の活躍に比べてやや地味な役割として描かれています。彼の戦闘や反逆が詳細に描かれることなく、曹操に対する防戦を強いられたように表現されています。彼の最期は史実に基づいているものの、歴史的な彼の壮大さは薄れてしまっている印象があります。

もう一度検索