Д

キリル文字の「Д, д」は、アルファベットの5番目または6番目に位置する文字です。この文字は、ギリシャ文字の「Δ」（デルタ）を起源とし、ラテン文字の「D」と対応しています。また、グラゴル文字では「Ⰴ」（ドブロ）が対応します。

字形の特徴

筆記体では、大文字・小文字ともにラテン文字の「D」と「g」の筆記体に似た形状をしています。特にイタリック体の小文字は「∂」に似た独特の形をしていますが、セルビア語ではラテン文字の「g」のイタリック体に似た形状になります。

また、フォントによっては上辺の筆画がない三角形の形状で表現されることもあります。

由来

「Д, д」の起源は、ギリシャ文字の「Δ, δ」（デルタ）に遡ります。デルタは古代ギリシア語では[d]と発音され、現代ギリシア語では[ð]と発音されます。さらに、デルタはフェニキア文字の「𐤃」（ダレット）に起源を持つとされています。

各言語での呼称

各言語での「Д, д」の呼称は以下の通りです。

ウクライナ語：デー
キルギス語：デー
ブルガリア語：ドゥ
ロシア語：дэ（デー）/ˈde:/

音価

原則として「Д, д」は[d]の音を表します。ただし、ロシア語などでは、語末や無声音の前で無声化し[t]の音になることがあります。

アルファベット上の位置

各言語におけるアルファベット上の位置は以下の通りです。

ウクライナ語：第6字母
セルビア語、ブルガリア語、ベラルーシ語、マケドニア語、ロシア語：第5字母

符号位置

Unicodeにおける符号位置は以下の通りです。

大文字 Д：U+0414
小文字 д：U+0434

参考文献

* （ウクライナ語）Сучасна українська мова / О. Д. Понаморів, В. В. Різун та ін.; За ред. О. Д. Понаморева. — 2-ге вид., перероб. — К.: Либідь, 2001. （O・ポノマリーウ編『現代ウクライナ語』第2版、キエフ、2001）

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