京王バス府中営業所

京王バス府中営業所は、東京都府中市晴見町に所在する京王バスの営業所です。社内識別記号は「B」で、京王電鉄バスグループ各社の本社が入居する「京王府中晴見町ビル」が敷地内にあります。最寄りのバス停は「府中営業所」で、JR武蔵野線北府中駅近くの府中街道沿いに位置しています。

概要

府中営業所は、府中市を中心に、小金井市、国分寺市、調布市、国立市、小平市、稲城市に乗り入れる一般路線バスを担当しています。また、府中市、小金井市、国分寺市のコミュニティバスの運行も受託しています。さらに、多摩地域を発着する空港連絡バスの一部路線も担当しており、多岐にわたる役割を担っています。

東京で初めて乗合バスを走らせた京王電気軌道のバス路線をルーツとしており、非常に長い歴史を持つ営業所です。京王電気軌道の乗合バス事業は、鉄道開業により一時中断されましたが、甲州街道沿線で広範囲に事業を展開していた甲州街道乗合自動車を買収し、京王電軌直営の乗合バス事業として再開しました。このエリアの路線が、現在の新宿以西から府中・調布・小金井エリアの基礎となっています。

太平洋戦争（大東亜戦争）開戦に伴う戦時統合により、京王電気軌道は東京急行電鉄（大[[東急]]）に合併され、府中乗合自動車商会も買収統合されました。終戦に伴う大[[東急]]解体を経て、京王帝都電鉄として分離独立する際に、中野、国分寺、八王子の3つのバス営業所が発足。このうち国分寺営業所が府中営業所の前身となりました。営業所略号は、中野 (A)、国分寺 (B)、八王子 (C) を表しています。国分寺営業所は後に移転し、府中営業所となり、北多摩地区の中心として、小金井、桜ヶ丘、調布など多くの営業所が発展しました。

2002年に京王電鉄のバス事業が分社化し、京王電鉄バスが発足。府中駅前に本社が置かれました。2014年には、府中営業所構内に「京王府中晴見町ビル」が完成し、京王電鉄バスと各子会社の本社が移転しました。バス事業の分社化の過程で、2003年に京王バス中央が設立され、段階的に府中営業所へ移行しました。2020年には、京王バス3社が合併し、京王バス（2代目）が発足、当営業所は「京王バス府中営業所」となりました。2022年には、京王バス小金井営業所に府中営業所小金井支所が併設され、一部路線が共同運行となりました。

沿革

1913年: 京王電気軌道が笹塚 - 調布間で鉄道開業。同時に、新宿 - 笹塚間、調布 - 府中 - 国分寺間でバス路線を開業。これが京王の府中地区におけるバス事業の始まりであり、東京初の路線バスでもありました。
1914年: 調布駅 - 府中 - 国分寺駅間の路線バスが運休となります。
1915年: 鉄道開業に伴い、バス事業を一時廃止。
1937年: 甲州街道乗合自動車を買収し、京王電軌のバス事業を再開。「京王電気軌道自動車課」発足、笹塚営業所を開設。
1944年: 戦時体制下における陸上交通事業調整法により、東京急行電鉄（大[[東急]]）と合併。
1948年: 大[[東急]]から分離独立し、京王帝都電鉄設立。直営のバス営業所として、中野、八王子とともに、国分寺営業所が開設されました。
1949年: 国分寺営業所が府中へ移転し、東府中営業所として設立。
1958年: 東府中営業所から再移転し、府中営業所として設立。小金井支所を新設。
1962年: 小金井支所が独立し、小金井営業所となる。
1964年: 桜ヶ丘支所を新設。
1967年: 調布支所を新設。
1972年: 小金井営業所を府中営業所に再統合。
1996年: バス共通カードを導入。乗車方法を前乗り中降りから中乗り前降りに変更。
1997年: バス事業の分社化が始まり、京王バスが設立され、府中営業所調布支所が京王バス調布営業所となる。
1998年: 京王帝都電鉄が京王電鉄に社名変更。
2002年: バス事業分社化のため、京王電鉄バス設立。本社を府中駅前に設置。
2003年: CoCoバス、ぶんバスの運行受託開始。京王バス中央設立。京王電鉄バスの府中地区の一部路線が移管し、「京王バス中央・府中営業所」として営業開始。
2004年: 京王バス小金井株式会社を設立。
2005年: 府中営業所小金井支所が京王バス小金井・小金井営業所として営業開始。
2008年: 京王電鉄バス府中営業所が廃止され、京王バス中央として統一。
2014年: 京王電鉄バスとグループ各社の本社を、府中営業所に隣接する「京王府中晴見町ビル」へ移転。
2020年: 京王バス南、京王バス東、京王バス中央の3社が合併し、京王バス（2代目）が発足。
2022年: 京王バス小金井営業所に府中営業所小金井支所が併設。一部便が移管され、共同運行となる。

現行路線

府中営業所は、以下の路線を運行しています。

国分寺線
寺91：府中駅 - 国分寺駅南口 (急行便あり)
府中駅と国分寺駅を国分寺街道経由で結ぶ路線で、京王バスの主力路線です。
府中新町線
寺92：府中駅 - 国分寺駅南口 (東八道路経由)
府02：府中駅 - 東芝前（北府中駅前） (東八道路経由)
府中駅と国分寺駅、東芝前を結ぶ路線です。
小金井線
武71：武蔵小金井駅南口 - 府中駅 (一本木経由)
武73：武蔵小金井駅南口 - 府中駅 (学園通郵便局経由)
武66：武蔵小金井駅南口 - 東芝前（北府中駅前） (学園通郵便局経由)
武蔵小金井駅と府中駅を結ぶ路線です。
国立 (東芝) 線
国01：国立駅 - 東芝前
国02：府中駅 - 国立駅 (東芝前経由)
国03：府中駅 - 国立駅 (総合医療センター経由)
府21：府中駅 - 総合医療センター
府中駅から国立駅、総合医療センター方面を結ぶ路線です。
谷保線
国17：府中駅 - 国立駅 (谷保駅経由)
府中駅と国立駅を谷保駅経由で結ぶ路線です。
病院線
西国01：西国分寺駅 - 総合医療センター
西国分寺駅と総合医療センターを結ぶ短距離路線です。
多喜窪線
寺85：総合医療センター - 小平団地 (国分寺駅経由)
寺87：総合医療センター - 小平団地 (国分寺駅経由)
寺86：国分寺駅北口 - 小平団地
寺83：国分寺駅南口 - 東芝前 (北府中駅前)
小平団地と国分寺駅を結ぶ路線です。
七小循環線
府46：府中駅 - 府中駅 (インテリジェントパーク経由)
府42：府中駅 - 府中駅 (インテリジェントパーク経由)
府中駅とインテリジェントパークを結ぶ循環路線です。
七小西国分寺線
西国44：府中駅 - 西国分寺駅 (平日朝のみ)
西国45：府中駅 - 西国分寺駅
府中駅と西国分寺駅を結ぶ路線です。
試験場線
武84,85,94,95,磨01,02: 武蔵小金井駅南口 - 多磨霊園駅（府中運転免許試験場経由）
武蔵小金井駅と多磨霊園駅を結ぶ路線で、府中運転免許試験場を経由します。
郷土の森線
府52：府中駅 - 郷土の森総合体育館
分52：分倍河原駅 - 郷土の森総合体育館
府中駅、分倍河原駅と郷土の森総合体育館を結ぶ路線です。
稲城線
府61：府中駅 - 稲城市立病院
府中駅から稲城市立病院へ向かう路線です。
東府中線
府75：東府中駅 - 武蔵小金井駅南口
東府中駅と武蔵小金井駅を結ぶ路線です。
出入庫路線
府01：府中駅 - 府中営業所
府中駅と府中営業所を結ぶ出入庫路線です。

コミュニティバス

以下の3市のコミュニティバスの運行を受託しています。

小金井市コミュニティバス「CoCoバス」
国分寺市コミュニティバス「ぶんバス」
府中市コミュニティバス「ちゅうバス」

空港連絡バス

以下の空港連絡バスを運行しています。

小金井羽田線：羽田空港 - 武蔵小金井駅南口
国分寺羽田線：羽田空港 - 西国分寺駅東
調布成田線：成田空港 - 西国分寺駅東

高速バス

富士五湖線・富士山五合目線：バスタ[[新宿]] - 河口湖駅 - 富士山五合目

移管路線

過去に府中営業所が担当し、現在は他の営業所へ移管された路線もあります。

廃止・撤退路線

過去に運行されていたが、現在は廃止された路線もあります。

車両

府中営業所には、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそう、UDトラックスの車両が在籍しています。かつてはいすゞ車が中心でしたが、現在は様々なメーカーの車両が導入されています。コミュニティバスには小型車が使用され、一部路線では中型車や大型車も使用されています。また、2021年5月には、乗務員不足のため近隣の桜ヶ丘営業所に一時的に車両が貸し出されたこともあります。

脚注

詳細については、以下の脚注を参照してください。

参考文献

『バスジャパン BJニューハンドブックシリーズ 27 京王電鉄京王バス西東京バス』
『バスジャパン BJハンドブックシリーズ R62 京王電鉄バス・西東京バス』
『バスジャパン BJハンドブックシリーズ S86 京王バス西東京バス』

関連項目

京王電鉄バス
京王バス小金井・小金井営業所
京王バス桜ヶ丘営業所
京王バス調布営業所
CoCoバス
ぶんバス
ちゅうバス

外部リンク

* 府中営業所 - 京王バス

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