アジアハイウェイ4号線

アジアハイウェイ4号線は、ロシアのノヴォシビルスクを起点とし、パキスタンのカラチを終点とする、総延長4,811kmに及ぶ国際幹線道路です。この路線は、アジアハイウェイネットワークの中でも特に重要なルートの一つとして位置づけられています。

概要

4号線の起点は、ロシア連邦のノヴォシビルスクに位置し、アジアハイウェイ6号線から分岐して南下します。アルタイ地方、アルタイ共和国を通過し、モンゴルの西端へと進みます。かつてはモンゴルと中国の国境からウルムチまでの区間は設定されていませんでしたが、道路整備が進んだことにより、現在ではアルタイ地区のチンギル県からG216国道などを経由してウルムチへ至るルートが確立されました。ウルムチからカシュガルまでは、かつての天山南路とほぼ同じルートをたどります。

カシュガルからカラコルム・ハイウェイとなる区間は、クンジュラブ峠を越えてパキスタンのフンザ地域に入ります。2010年1月に発生した土砂災害により、フンザ川の渓谷がせき止められ、アッタバード湖という長さ18kmにも及ぶ湖が出現し、一時的に通行不能となりましたが、2015年に迂回路が開通しました。アッタバード湖を通過すると、フンザ観光の中心地であるカリーマーバードがあり、その後、ギルギット・バルティスタンのジャグロットからカイバル・パクトゥンクワ州のサーコットまでインダス川沿いに南下します。ハッサナブダルでは、アジアハイウェイ1号線と合流し、パンジャーブ州の州都であるラホールまで重複区間となります。

ラホールから先は、アジアハイウェイ2号線との重複区間となりますが、シンド州のサッカル地区ローリで2号線と分岐し、再びインダス川沿いに南下します。その後、ハイデラバードでインダス川を渡り、シンド州の州都であるカラチが終点となります。

経路詳細

以下に、アジアハイウェイ4号線の主要な経路を国ごとに示します。

ロシア連邦
ロシア連邦道路M52: ノヴォシビルスク州ノヴォシビルスク - アルタイ地方ビイスク - アルタイ共和国ゴルノ＝アルタイスク - コシュ・アガチスキー地区

モンゴル
A0306: バヤン・ウルギー県ウランバイシント - ウルギー
A0305: ウルギー - ホブド県ホブド
A0304: ホブド - マンカン
A14: マンカン - ブルガン - ヤランタイ

中華人民共和国
S320省道: 新疆ウイグル自治区（東トルキスタン）アルタイ地区チンギル県 - コクトカイ県
G216国道: コクトカイ県 – ウルムチ
G314国道: ウルムチ - トルファン市トクスン県 - アクス地区アクス - カシュガル地区カシュガル - タシュクルガン・タジク自治県 - クンジュラブ口岸

パキスタン
N-35国道（カラコルム・ハイウェイ）: ギルギット・バルティスタンクンジュラブ峠 - アッタバード湖 - カリーマーバード - ギルギット - カイバル・パクトゥンクワ州アボッターバード - パンジャーブ州ハッサナブダル
M2高速道路（アジアハイウェイ1号線との重複区間）: ハッサナブダル - ジェーラム - グジュラーンワーラ - ラホール
N-5国道（アジアハイウェイ2号線との重複区間）: ラホール - ムルターン - バハーワルプール - シンド州サッカル地区ローリ
N-5国道: ローリ - ハイデラバード - カラチ

国境

この路線は、ロシア、モンゴル、中国、パキスタンの4ヶ国を通過します。それぞれの国境では、道路状況や規制が異なるため、注意が必要です。

補足情報

このアジアハイウェイ4号線は、インダス川沿いを走る区間が多く、その歴史と自然に触れることができるルートです。また、カラコルム・ハイウェイのように、標高の高い地域を通るため、気象条件にも注意が必要です。

この路線は、各国の主要都市を結びつけるとともに、文化交流や観光の促進にも重要な役割を果たしています。

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